問題7.1.3a
次の微分方程式を解け(同次形)。
(1)$y’=\dfrac{x+2y}{y}$
(2)$y’=\dfrac{2x-y}{x}$
《ポイント》
次の形の方程式を同次形の微分方程式と言います。$$\dfrac{dy}{dx}=f\left(\dfrac{y}{x}\right)$$このタイプの微分方程式は、$y=xz$ と置けば $z$ に関する変数分離形の方程式として解くことができます。
《解答例》
$y=xz$ と置くとき、$y^{\prime}=z+x z^{\prime}$ となることに注意する。
(1)$y’=\dfrac{x+2y}{y}$
$$\begin{aligned} y^{\prime} &=-\frac{x+2 y}{y} \\ &=-\frac{x}{y}-2 \end{aligned}$$であるから、これに $y=xz$、$y^{\prime}=z+x z^{\prime}$ を代入すると、$$\begin{align} z+x z^{\prime}=-\frac{1}{z}-2 \\ \therefore x z^{\prime}=-\frac{(z+1)^{2}}{z} \end{align}$$となる。これより$$\frac{z}{(1+z)^{2}} d z=-\frac{d x}{x}$$となるので、両辺の積分を実行して、$$\int \frac{z}{(z+1)^{2}} d z=-\int \frac{1}{x} d x+c$$ $$\therefore \int\left(\frac{1}{z+1}-\frac{1}{(z+1)^{2}}\right) d z=-\int \frac{1}{x} d x+c$$ $$\therefore \log |z+1|+\frac{1}{z+1}=-\log |x|+c$$ $$\therefore \log |x+y|+\frac{x}{x+y}=c \quad \cdots (\text{答})$$を得る。
(2)$y’=\dfrac{2x-y}{x}$
$$\begin{aligned} y^{\prime} &=-\frac{2x-y}{x} \\ &=2-\frac{y}{x} \end{aligned}$$であるから、これに $y=xz$、$y^{\prime}=z+x z^{\prime}$ を代入すると、$$\begin{align} z+x z^{\prime}=2-z \\ \therefore x z^{\prime}=-2(z-1) \end{align}$$となる。これより$$\frac{z}{1-z} d z=2 \frac{d x}{x}$$となるので、両辺の積分を実行して、$$\int \frac{1}{z-1} d z=-2 \int \frac{1}{x} d x+c_{1}$$ $$\therefore \log |z-1|=-2 \log |x|+c_{1}’$$ $$\therefore \log \left|\frac{-x+y}{x}\right|=\log \frac{c_{2}}{x^{2}}$$ $$\therefore \frac{-x+y}{x}=\frac{c}{x^{2}} \quad (c := e^{c_2})$$ $$\therefore y=x+\frac{c}{x} \quad \cdots (\text{答})$$を得る。
復習例題は設定していません。