微積7.1.4b

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問題7.1.4b

次の微分方程式を解け(ベルヌーイ)。

(5)$y’-y=xy^2$

(6)$y’-2y=e^{2x}y^3$

《ポイント》

次の形の方程式をベルヌーイの微分方程式と言います。$$y^{\prime}+p(x) y=q(x) y^{m} \quad(m: \text {整数},\ m \ne 0,\,1)$$これは $z=y^{1-m}$ とおくことにより、$z$の1階線形方程式に帰着します。$m = 0,\,1$ の場合は既に1階線形方程式になっています。


《解答例》

(5)$y’-y=xy^2$

$y=0$ は明らかに解であるから、$y \ne 0$ のときを考える。与式より、$$y^{\prime}-y=x y^{2}$$ $$\therefore \dfrac{y^{\prime}}{y^{2}}-\dfrac{1}{y}=x$$となるので、$z=\dfrac{1}{y}$ と置くと $y=\dfrac{1}{z}$ となるから、$\dfrac{dy}{dx}=-\dfrac{1}{z^2}\dfrac{dz}{dx}$ である。これより、$$-\dfrac{1}{z^2}\dfrac{dz}{dx}-\dfrac{1}{z}=\dfrac{x}{z^2}$$となるので整理して、$$\dfrac{dz}{dx}+z=-x$$を得る。よって$$\begin{aligned} z &=e^{-x}\left(\int\left(-x e^{x}\right) d x+c\right) \\ &=e^{-x}\left(-x e^{x}+e^{x}+c\right) \\ &=-x+1+c e^{-x} \end{aligned}$$より、解は$$y=0, \quad y\left(1-x+c e^{-x}\right)=1 \quad \cdots (\text{答})$$となる。ただし、$c$は任意の実数である。

 

(6)$y’-2y=e^{2x}y^3$

$y=0$ は明らかに解であるから、$y \ne 0$ のときを考える。与式より、$$y^{\prime}-2y=e^{2x} y^{3}$$ $$\therefore \dfrac{y^{\prime}}{y^{3}}-\dfrac{2}{y^2}=e^{2x}$$となる。ここで $z=\dfrac{1}{y^2}$ と置くと、$x$で微分して$$z’=-\dfrac{2}{y^3}y’$$を得る。これら2式より、$$z’+4z=-2e^{2x}$$を得る。よって$$\begin{align}z & =e^{-4 x}\left(\int-2 e^{2 x} \cdot e^{4 x} d x+c\right) \\ & =e^{-4 x}\left(-\frac{1}{3} e^{6 x}+c\right) \\ & =-\frac{e^{2 x}}{3}+c e^{-4 x}\end{align}$$となるから、解は$$y=0, \quad y^{2}\left(-\frac{e^{2 x}}{3}+c e^{-4 x}\right)=1 \quad \cdots (\text{答})$$となる。ただし、$c$は任意の実数である。

 


復習例題は設定していません。


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