問題7.2.5
次の2階の線形微分方程式を、$x=e^t$ という変数変換を用いて解け。
(1)$x^2 y^{\prime \prime}-xy^{\prime}+y=(\log x)^2$
(2)$x^2 y^{\prime \prime}-2xy^{\prime}+2y=x^3$
《ポイント》
$x=e^{t}$ と置くと、$ t=\log x$、$\dfrac{d y}{d t}= \dfrac{d y}{d x} \dfrac{d x}{d t}$ となるので、
$$\dfrac{d y}{d x}=\dfrac{1}{x} \dfrac{d y}{d t}$$および$$\dfrac{d^{2} y}{d x^{2}}=-\dfrac{1}{x^{2}} \dfrac{d y}{d t}+\dfrac{1}{x^{2}} \dfrac{d^{2} y}{d t^{2}}$$が成り立ちます。以下の解答例ではこの関係式を利用します。
《解答例》
(1)$x^2 y^{\prime \prime}-xy^{\prime}+y=(\log x)^2$
$x=e^{t}$ と置くと、微分方程式は$$\frac{d^{2} y}{d t^{2}}-2 \frac{d x}{d t}+y=t^{2}$$と書き換えられる。この微分方程式を$t$を変数として一般解を求めると$$y=t^{2}+4 t+6+c_{1} e^{t}+c_{2} t e^{t}$$となる。これより、元の微分方程式の一般解は$$y=(\log x)^{2}+4 \log x+6+c_{1} x+c_{2} x \log x \quad \cdots (\text{答})$$である。ただし、$c_{1}$、$c_{2}$ $\in \mathbb{R}$ である。
(2)$x^2 y^{\prime \prime}-2xy^{\prime}+2y=x^3$
$x=e^{t}$ と置くと、微分方程式は$$\frac{d^{2} y}{d t^{2}}-3 \frac{d x}{d t}+2y=e^{3t}$$と書き換えられる。この微分方程式を$t$を変数として一般解を求めると$$y=c_{1} e^{t}+c_{2} e^{2 t}+\frac{1}{2} e^{3 t}$$となる。これより、元の微分方程式の一般解は$$y=c_{1} x+c_{2} x^{2}+\frac{1}{2} x^{3} \quad \cdots (\text{答})$$である。ただし、$c_{1}$、$c_{2}$ $\in \mathbb{R}$ である。
復習例題は設定していません。