線形代数4.1.3

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 問題4.1.3

定理4.1.1は条件(ⅰ)を次の条件(ⅰ${}^{\prime}$)で置き換えても成り立つことを示せ。

(ⅰ${}^{\prime}$) $W$は空集合でない

 

 ポイント

部分空間ベクトル空間$V$の部分集合$W$が$V$の和とスカラー倍によってベクトル空間となるとき、$W$を$V$の部分空間といいます。

定理4.1.1にある通り、ベクトル空間$V$の部分集合$W$が部分空間である必要十分条件は次の(ⅰ)、(ⅱ)、(ⅲ)のすべてが満たされることです。

(ⅰ) $0 \in W$
(ⅱ) $\boldsymbol{u}, \boldsymbol{v} \in W$ ならば $\boldsymbol{u}+\boldsymbol{v} \in W$
(ⅲ) $\boldsymbol{u} \in W, c \in \boldsymbol{R}$ ならば $c \boldsymbol{u} \in W$

本問では(ⅰ)の代わりに「(ⅰ${}^{\prime}$) $W$は空集合でない」という条件でも定理4.1.1が成り立つことを示すものです。ここでは(ⅲ)を利用します。

 

 解答例

(ⅰ${}^{\prime}$) $\Longrightarrow$ (ⅰ)
$$\boldsymbol{w} \in W$$とすると、(ⅲ)より $c=0$ とすれば$$\mathbf{0}=0 \cdot \boldsymbol{w} \in W$$となる。(ⅰ) $\Longrightarrow$ (ⅰ${}^{\prime}$) は明らかだから (ⅰ${}^{\prime}$) $\iff$ (ⅰ) が成り立つ。

よって示された。

 


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