【違いで覚える英単語】
“It’s up to you”と“It depends on you”
“It’s up to you” と “It depends on you” はどちらも「それは君次第だ」と和訳される。ただしそのニュアンスには若干の違いがあるとされる。
前者の場合、事態の成り行きを決める意思の所在は “you”、つまり意思決定の選択権は「君」自身にある。例えば「英語がもっと上手くなりたい」の返答に “It’s up to you.” と返す場合、英語を上手くなれるかどうかは「君自身の意思に掛かっている」という意味合いになる。言外には「君の英語が上達するかどうかは、君がちゃんと勉強するかどうかで決まるのであって、別にオレが決めることじゃないよね」というニュアンスが含まれていると解釈するのが自然である。
そして後者の “It depends on you.” の場合、事態の成り行きを決める意思の所在は “you” ではなく、その話し手にある。例えば「喧嘩した友達と仲直りしたいんだけど…」というセリフに対して “It’s up to you.” と返すのは不自然である。というのも、仲直りできるかどうかは喧嘩相手の態度次第で決まるからである。このような場合では “It depends on you.” が適している。
また、仕事をしくじってクビになりそうな場面で、「どうかクビだけは勘弁して下さい」と上司に懇願する場合、上司からは “It depends on you.” と言われる。これは「キミの今後の働き次第では解雇しないでやっても良い」というニュアンスがあり、仕事を失うかどうかを決めるのは上司であって部下の意思にはよらないという言外の力関係が暗に示されている。要は「いい子にしてろ、さもなくばクビだ」ということである。
英語話者の中にはどちらの表現も口語的には同じニュアンスだとする意見もあるが、両者の意味するところには厳密には差異があるということを覚えておこう。