「水商売」の語源について

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「水商売」←「水もの」説

よく「水商売は水ものだから不安定な商売だ」と言われることがあります。

「水もの」というのは、水や酒などの飲み物、または水分を多く含んでいる果物などの食べ物を指す語です。そこから転じて、そのときの条件によって変わりやすく予想しにくい物事も「水もの」と呼ばれるようになりました。

一般にはこれが「商売」と呼ばれるようになった由来とされていますが、実は他にも語源が提唱されています。

 

「水商売」←「泥水稼業」説

古く、娼妓や芸妓などの商売は「泥水商売」や「泥水稼業」と呼ばれていました。泥水のように汚れた世界の商売であるという意味合いです(今となっては職業差別ですね…)。ここから「泥」が落ちて「水商売」と呼ばれるようになったという説があります。

 

「水商売」←「水茶屋」説

茶屋(ちゃや)は、中世~近代にかけて日本で広く見られた休憩所のことです。お茶や和菓子を提供する飲食店・甘味処として、旅人の憩いの場として機能していました。ちょっとした観光地に行けば今でも葦簀(よしず)の掛かった腰掛け茶屋が見られますよね。

水茶屋(みずぢゃや)というのは腰掛け茶屋(掛茶屋)とほぼ同義で、江戸時代に道ばたや社寺の境内などで営まれた茶屋を指します。一説には、あるところ(両国広小路との説あり)の水茶屋が店の奥の座敷で男性客相手の商売を始めたのが「水商売」の由来とも言われています。

余談ですが、表向きは料理屋や商家、旅館などに見せ掛けておきながら、売春婦などに密かに客の相手をさせる店のことを「曖昧屋」と呼びました。


なお、「水商売」は「ウォータービジネス」という和製英語で俗称されることもありますが、決してウォーターサーバーを売り捌く仕事ではありません(笑)。


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