人間の遊びは4つに分類される
フランスの社会学者ロジェ・カイヨワ(Roger Caillois、1913~1978)は、1958年に発表した著書『遊びと人間』の中で人間の「遊び」を以下の4種類に分類して考察しました。
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- アゴーン(競争:徒競走などの純粋な競い合い)
- アレア(偶然:ルーレットなどの賭け事)
- ミミクリー(模倣:演劇やRPGなど)
- イリンクス(眩暈:ブランコや絶叫マシーンなど)
『遊びと人間』は、オランダの歴史家ヨハン・ホイジンガ(Johan Huizinga、1872~1945)の『ホモ・ルーデンス』に影響を受けています。「ホモ・ルーデンス (homo ludens)」とは「遊ぶ人」という意味です。人間の文化は遊びによって生み出されたものであり、遊びは人間活動の本質である、ということを主張しています。カイヨワはこの思想を発展させ、人間の遊びと文化の成り立ちの関係について詳しく研究しました。
遊びの6要素
カイヨワによると、人間の遊びには6つの要素が含まれているといいます。
①自由な活動
プレイヤーが強制されない活動であること。
②隔離された活動
遊びの場と時間が予め決まっていること。
③未確定の活動
展開や結果が予想できないこと。
④非生産的活動
財産の変動がゲーム内で完結していること。
⑤秩序のある活動
一定のルールに従わなければならないこと。
⑥虚構の活動
非日常の世界、想像・妄想の中で行われること。
実際のゲーム製作の場においても、カイヨワの4種類の人間の遊びと、これらの6つの要素をできるだけ取り入れるようにゲームがデザインされているようです。「遊び」が文化を創るというのは目新しい発想のようでいて、世の中をよく見渡すと確かに「遊び」から派生した文化や習慣が多く存在していることに気が付きます。
ゲームデザイナーの安原広和氏の講演録がwedge.ismedia.jpに掲載されています。「ゲームデザイナーが明かすゲームと脳の密接な関係」
以下の記事は株式会社MIMIGURI代表取締役の安斎勇樹氏によるものです。