落花生とピーナッツは本質的に同じものである

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 落花生とピーナッツは本質的に同一

落花生らっかせいといえば千葉県の名産品ですが、これは多くの場合、殻付きの状態で売られています。落花生といえば、皆さんはこの見た目を想像するのではないでしょうか。落花生は地豆じまめ(琉球語では「ジーマーミ」)とも呼ばれることがあります。他にも唐人豆とうじんまめ異人豆いじんまめといった名称も古くから用いられています。

図.落花生の名称に関する一般のイメージ

外側の殻を剥くと茶色い薄皮のついた豆が出てきます。この状態は「南京豆なんきんまめ」として知られています。南京豆という呼び名は、落花生が中国由来であることを示す言葉で、江戸時代に中国から日本へ伝わったことに由来します。ただし、現在栽培されている落花生は明治維新以降に輸入された品種で、江戸時代の品種とは異なります。

最後に茶色の薄皮を剥いた状態が、皆さんもよくご存知のピーナッツに相当します。英語で “peanuts” と書き、”pea” はエンドウ豆やエンドウ豆に似た植物のことで「豆」を意味し、”nuts” は「木の実」を意味します。つまり、ピーナッツは「木の実(ナッツ)のような豆」という意味の英単語なのです。

…というわけで、落花生とピーナッツは本質的に同じものなのです。

📝memo

落花生の原産地は南アメリカ大陸です。ヨーロッパには大航海時代の初期に伝わりましたが、落花生はヨーロッパでは気候が適さず、また、土の中で成長するため旧来のマメ類の常識からかけ離れた不思議な植物として認識されていたようです。大規模に栽培されるようになったのは奴隷貿易(三角貿易)が始まり、アフリカに持ち込まれてからでした。その後様々な植民地で栽培されるようになり、日本には中国、もしくは琉球を含む東南アジア経由で伝わったとされています。

 日本では売られ方が異なる

では、日本で落花生とピーナッツが別物のように誤解されている理由は何でしょうか? まず第一に思いつくのが、スーパーマーケットなどでの販売方法の違いでしょう。

ピーナッツは洋菓子やスナックフードとしてのイメージが強く、加工食品として利用されているイメージと殻付きの豆の状態がうまく結び付かないものと考えられます。ただ、ネット通販のページ(上図は楽天のページ)を見ると、食べやすくするために殻があらかじめ剥かれた状態で売られている商品も多いようです。


【参考資料】

    • 一般財団法人 全国落花生協会 「栽培の歴史」

栽培の歴史 | 落花生を知ろう!


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