タケノコの速い成長は、先端だけを猛烈な速さで伸ばすことによって起きるのではない。節と節の間が、複数の場所で伸びていく。さらに地下茎でつながる竹の蓄えを利用できることが、短期間の大きな成長を支えている。
小さなタケノコに節が並ぶ
タケノコを縦に切ると、内部に節が重なって見える。成長に伴って、その間の節間が伸び、長い稈になる。竹の高さの増加は、節間ごとの伸びを足し合わせた結果として捉えられる。
イネ科植物には、器官の途中に位置する介在分裂組織がある。竹の節間の成長にもこの組織が関わり、細胞分裂と、その後の細胞の伸長が進む。伸びる場所を先端の一か所だけに限らず、茎の複数の部分へ配置しているのである。
細胞を増やし、伸ばす
細胞分裂で細胞の数が増えることと、一つの細胞が大きくなることは別の過程である。細胞壁の性質を変えながら水を取り込み、細胞が長くなることも、節間の伸長を生む。すべての節間が同じ時刻に同じ速さで伸びるわけではない。
モウソウチクの成長組織を調べた研究では、組織の位置や発達段階に応じた遺伝子発現が解析されている。成長の速さを一つの物質だけで説明するより、分裂、伸長、細胞壁の形成がどの場所で進むかを調べることが重要になる。
地上の一本だけでは完結しない
新しいタケノコは、葉を十分に広げる前から大きく伸びる。近畿大学の研究紹介は、地下茎を介して蓄えられた養分を使うことを説明している。すでに葉を持つ竹と地下の蓄えが、新しい稈の成長を支えるのである。
長さの成長が終わった稈が、同じ速さで何年も伸び続けるわけではない。竹林全体では、新しい稈が生じ、葉が働き、地下へ資源が移る。竹の速さは、一つの芽の能力だけでなく、成長部位の配置と、地下でつながる植物全体の資源配分によって成り立っている。
地下茎は地中を伸びる茎であり、根とは異なる器官である。地下茎から根や芽が生じるため、地上の竹の本数と、独立した個体の数は同じとは限らない。
参考資料
- 近畿大学:竹の不思議な生態と構造
- Transcriptome analysis of lateral buds from Phyllostachys edulis rhizome
- Spatiotemporal transcriptome atlas reveals gene regulatory patterns during bamboo shoot organogenesis
参考資料確認日:2026年10月14日。
