ヒートポンプは、使った電気の数倍に相当する熱を室内へ届けられる。エネルギーを無から作っているわけではない。電気を使って、外にある熱を室内へ移しているためである。
電気から熱を作る方法と、熱を運ぶ方法
電気ヒーターは、電気エネルギーを熱へ変える。ヒートポンプは、冷媒の状態を変えながら低温側から熱を吸い上げ、高温側へ渡す。圧縮機を動かす仕事によって、自然には進みにくい向きへ熱を運ぶ。
例として、電気1に加え外から熱3を取り込み、室内へ熱4を渡す状況を考える。供給した熱を使った電気で割ると4になる。外から取り込んだ熱も数えれば、エネルギーの収支は合っている。
COPは、変換効率とは数え方が違う
この比を成績係数COPという。暖房なら届けた熱、冷房なら取り除いた熱を、投入した仕事で割る。電気を熱へ変えた割合だけを測る指標ではないため、1を超えられる。
低温側と高温側の温度差が大きいほど、熱を移すための仕事が増えやすい。外が寒い日に高温のお湯を作る場合は、穏やかな条件より難しくなる。
実際の一年で、どれだけ使うか
カタログの一条件でのCOPと、一年を通した成績は異なる。霜取り、部分負荷、配管、送風なども電力を使う。使う地域と温度設定に近い条件で比較する必要がある。
建物の断熱を改善すれば、必要な熱量を減らし、低めの温度でも室内を保ちやすくなる。機器の効率と建物の性能を合わせることが重要である。電気料金や設備費まで含めれば、エネルギー効率と経済性の違いも整理できる。
本文の1・3・4は収支を示す例であり、特定機種の実測値ではない。冷暖房や給湯の方式、気温、運転条件でCOPは変わる。
参考資料
参考資料確認日:2026年10月13日。
