防水表示「IPX4」のXと4は何を表す?

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IPX4の「X」は固形物などに対する保護等級を表示していないこと、「4」は水しぶきに対する保護等級を表します。Xはゼロという意味ではなく、4も「4mまで沈められる」という深さの表示ではありません。二つの位置を分けて読むのがポイントです。

IPX4を三つに分けて読む

IPX4の記号の読み方
部分 表しているもの 読み取れる内容
IP 外郭による保護等級を示すコード 機器のケースなどが、危険箇所への接近や異物・水の侵入に対して与える保護
X(第1特性数字の位置) 固形異物などに対する保護等級を規定・表示していない この表示だけでは防じん性能は分からない
4(第2特性数字) 水の侵入に対する保護等級 規定の試験で、あらゆる方向からの水しぶきによる有害な影響を受けない

第1特性数字は、粉じんだけでなく、固形異物の侵入や危険な部分への接近に関する保護を扱います。一般向けの説明で「防じん・防水」とまとめられますが、最初の数字がすべて粉じん試験の段階を表すわけではありません。

Xは、その項目の等級を示さないときに使う記号です。未試験の場合もありますが、Xだけから「試験に落ちた」「保護性能が全くない」とは判断できません。一方、数字の0には「保護なし」という意味があります。例えばIPX4とIP04は同じ表示ではありません。(参考:アイコムのIPコード解説、オムロンの保護構造の解説)

4・5・6・7・8は、どんな水への保護か

水の保護等級の代表例(試験条件の概略)
表示 主な対象 読み違えやすい点
IPX4 さまざまな方向から飛んでくる水しぶき 水没や強い噴流水への適合を示す表示ではない
IPX5 規定のノズルからの噴流水 あらゆる水圧のホース洗浄を許可するものではない
IPX6 IPX5より強い噴流水 長時間・無制限の放水を保証するものではない
IPX7 規定の深さ・時間での一時的な水没 泳ぎながらの使用や水中操作の許可とは別
IPX8 IPX7より厳しく、個別に定めた条件での継続的な水没 深さ・時間などの条件は製品仕様を確認する

この表は試験の種類を整理したもので、使用できる場面を一律に決める表ではありません。IPX4で確認するのは、所定の方法で水をかけたときに有害な影響が生じないことです。「水滴が一滴も内部に入らない」「どんな雨でも何時間でも使える」と言い換えると、規格が示す範囲を超えてしまいます。(参考:オムロンの試験条件と保護の程度)

IPX7ならIPX6も満たす、とは限らない

特に注意したいのが、噴流水と水没は違う試験だという点です。水中で一定時間静置する条件に適合しても、ノズルから勢いよく水を当てる条件まで適合するとは限りません。IPX7・IPX8の表示だけで、IPX5・IPX6の性能を自動的に読み足すことはできません。

両方に対応する製品では、例えばIPX6/IPX7のように複数の等級を示す場合があります。数字の最大値だけを比べるより、「水しぶき」「噴流」「水没」のうち何を想定しているかを確認した方が、性能を正確に比較できます。(参考:エドモンド・オプティクスの等級の併記に関する解説)

お湯・海水・石けん水も大丈夫?

IP等級の水の試験は、基本的に真水によるものです。お湯、海水、洗剤や石けんを含む水、温泉水などでの使用まで、IPX4やIPX7という表示だけから判断することはできません。メーカーが別途使える液体や用途を指定している製品もあるため、取扱説明書が必要になります。

例えばソニーの製品説明には、対象の液体を限定し、USB端子カバーを閉じることを条件にしたものがあります。同じ製品でも、ケーブルなどの付属品や端子部分が本体と同じ保護性能とは限りません。こうした注意は、ほかの機種へそのまま当てはめず、型番ごとの説明を確認します。(参考:ソニーの防水仕様と使用条件の例)

確認する順番は、①IPコードの各位置、②試験の深さ・時間などの条件、③対象の液体と使用方法、④カバー・端子・付属品の条件です。IPコードは比較に便利ですが、それだけで実際の使い方や故障時の保証範囲まで決まるわけではありません。

JISの規格番号は2026年に変更された

2026年10月2日の確認時点では、日本の対応規格はJIS C 60529:2026です。2026年1月20日に制定され、従来のJIS C 0920:2003を置き換えました。国際規格IEC 60529の1989年版と、1999年・2013年の追補に対応します。

古い製品の説明書にはJIS C 0920という番号が残っています。その記載だけで製品の性能が急に失われたという意味にはなりません。どの版を根拠として、どの試験条件・使用条件を表示しているかを確認するための情報として読みましょう。(参考:日本規格協会の現行規格情報)

参考資料

規格・資料の確認日:2026年10月2日


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