ねじの「M6」はどこが6ミリなのか?

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M6の「6」は、メートルねじの呼び径が6mmであることを表します。おねじでは、ねじ山のいちばん外側を結んだ直径の基準寸法に相当します。ねじの長さや、頭に掛けるスパナのサイズが6mmという意味ではありません。

6mmなのは、ねじ山の外側の基準寸法

Mはメートルねじを表す記号で、その後ろの数字が呼び径です。呼び径は、ねじの太さを代表する寸法として使われます。ボルトのようなおねじなら外径、ナットのようなめねじなら谷の径の基準寸法に対応します。

「外径6mm」と覚えると分かりやすいのですが、厳密には実物を測ると必ず6.000mmになる、という意味ではありません。ねじには寸法の許容範囲があり、指定された公差域クラスなどによって最大・最小寸法が決まります。ノギスの測定値が6mmから少し小さいだけで、直ちに別サイズとは判断できません。(参考:三木プーリのねじ用語集、タンガロイのねじ規格寸法表)

M6ボルトの模式図。ねじ山の外側の呼び径6mm、隣り合う山のピッチ1mm、首下から先端までの呼び長さ20mm、頭の二面幅を別々に示す。
図:呼び径・ピッチ・呼び長さ・二面幅の位置関係。並目M6を例にしたオリジナル模式図で、製造用図面ではありません。

直径・ピッチ・長さ・二面幅の違い

ねじの寸法を混同しないための早見表
寸法 どこを表すか M6だけで決まるか
呼び径 おねじの外径などの基準寸法 6mmと分かる
ピッチ 隣り合う山の対応する点を、ねじの軸方向に測った間隔 一般的な並目なら1mm。細目は別に確認
呼び長さ 部品の長さを代表する寸法 決まらない
二面幅(対辺) スパナを掛ける平行な面どうしの間隔など 頭の形状・製品規格を確認
ねじ部長さ ねじ山がある部分の長さ 呼び長さと一致するとは限らない

頭の外側が六角形のボルトと、頭の内側に六角穴のあるボルトでは、工具を掛ける場所が違います。同じM6でも、使用するスパナや六角棒レンチのサイズは頭の形状や規格に依存します。「M6用だから6mmの工具」とは決められません。

長さにも注意が必要です。一般的な六角ボルトの呼び長さは、頭の座面から先端までの「首下」の長さです。皿頭などでは寸法の取り方が異なるので、商品図のLなどの寸法線を確認します。途中にねじ山のない部分があるボルトでは、首下の長さとねじ部長さも分けて見ます。(参考:三木プーリの呼び長さ・ねじ部長さ・二面幅の定義)

M6の並目ピッチは1mm。細目もある

よく使うメートル並目ねじでは、呼び径ごとにピッチが決まっています。代表例を並べると次のようになります。

メートル並目ねじの呼び径とピッチ
ねじの呼び 呼び径 並目のピッチ
M3 3mm 0.5mm
M4 4mm 0.7mm
M5 5mm 0.8mm
M6 6mm 1mm
M8 8mm 1.25mm

ただし、同じM6でも、例えばピッチ0.75mmの細目ねじがあります。M6×1とM6×0.75は太さの呼びが同じでも、山の間隔が違うねじです。対応しないナットやねじ穴へ無理に回し込むと、ねじ山を傷める原因になります。(参考:タンガロイの並目寸法表、ミスミのメートル細目ねじ表)

さらに、「M6×20」という商品表記では20が呼び長さ20mmを意味することが多い一方、「M6×1」というねじの呼びでは1はピッチです。掛け算記号の後ろがいつも同じ量とは限りません。注文・交換時は、呼び径、ピッチ、長さがそれぞれどの欄に書かれているかを確認します。

M6なら、穴も6mmにすればよい?

穴には、ボルトをただ通すための「通し穴」と、ボルトをねじ込むための「めねじ」があります。前者には通すためのすきまが必要で、後者にはねじ山が必要です。どちらも「M6だからドリル径6mm」とは一律に決められません。

めねじを作る下穴は、ピッチのほか、加工方法、材料、工具の指定などで選びます。例えば、材料を削る切削タップと、塑性変形させる転造タップでは適切な下穴径が異なります。オーエスジーの資料もこの違いを明示しています。実際に加工する場合は、工具メーカーの該当する下穴表と部品図面に従います。(参考:オーエスジーの転造タップ資料)

また、M6という表示だけでは材質・強度・表面処理も分かりません。交換部品を選ぶなら、太さが合うだけでなく、必要な強度や使用環境も含めて元の仕様に合わせます。M6の「6」は、ねじ選びで確認する情報のうち、まず太さの基準を教える数字なのです。

参考資料

規格・資料の確認日:2026年10月2日


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