A4は、日本でも海外でも210 × 297 mmです。一方、B5には「JIS B5」と「ISO B5」があり、大きさが違います。日本のノートやコピー用紙でおなじみのB5は、通常182 × 257 mmのJIS B5です。
さらに、米国でよく使われるLetter判はA4とは別の規格です。海外から届いた書類の余白がずれたり、印刷時に少し縮小されたりする原因が、用紙サイズの違いにあることもあります。
A判・B判・Letter判の寸法比較
寸法は「短辺 × 長辺」で示します。縦置き・横置きを変えても、用紙そのものの大きさは同じです。
| 呼称 | 基準・系列 | 寸法(mm) | 注意点 |
|---|---|---|---|
| A3 | ISO・JISのA列 | 297 × 420 | A4の約2倍の面積 |
| A4 | ISO・JISのA列 | 210 × 297 | 日本と海外で共通の寸法 |
| A5 | ISO・JISのA列 | 148 × 210 | A4の約半分の面積 |
| B4(JIS) | 日本のB列 | 257 × 364 | ISO B4より大きい |
| B4(ISO) | 国際規格のB列 | 250 × 353 | JIS B4とは別サイズ |
| B5(JIS) | 日本のB列 | 182 × 257 | 日本で通常「B5」と呼ぶサイズ |
| B5(ISO) | 国際規格のB列 | 176 × 250 | JIS B5より短辺6 mm、長辺7 mm小さい |
| Letter | 米国などで使用 | 215.9 × 279.4 | 8.5 × 11インチ |
| Legal | 米国などで使用 | 215.9 × 355.6 | 8.5 × 14インチ |
Letter・Legalのmm値は、1インチ=25.4 mmで換算したものです。機器の説明書では、Letterを216 × 279 mmのように整数へ丸めて表示することもあります。
「B5」だけでは、どちらの規格か分からない
紙の仕上寸法には、国際規格のISO 216と、日本産業規格のJIS P 0138があります。A列の代表的な寸法は共通ですが、B列は一致しません。
どちらのB列も、番号が一つ大きくなるごとに面積を半分にしていく系列です。ただし、基準となる大きさが異なるため、同じ「B5」でも別の寸法になります。これは裁断の誤差や、メーカーごとのわずかな違いではありません。
国内向けのプリンターでは単に「B5」と表示されることもあります。一方、海外向けソフトや機器では「B5 (ISO)」「B5 (JIS)」を別々に選べる場合があります。用紙名だけで迷ったら、182 × 257 mmか176 × 250 mmかを確認するのが確実です。
なお、「海外のB5は必ずISO」と決め付けるのも避けましょう。国・商品・ソフトの設定によって扱う規格が異なるため、海外の通販でノートや手帳を買う場合も寸法欄を見るのが安全です。
A4と米国のLetter判は、縦横の比も違う
Letter判をA4と比べると、短辺は5.9 mm長く、長辺は17.6 mm短くなります。つまり、縦向きではLetterの方が少し横に広く、縦に短いという違いです。
このため、A4用に端まで配置した図を、Letterへ原寸のまま印刷すると、上下が収まらない可能性があります。逆に「用紙に合わせる」を選ぶと、図や文字が自動的に縮小されることがあります。
Wordなどで用紙設定そのものを変更すれば、改行やページの区切りも変わり得ます。PDFとして渡す場合も、PDFのページ寸法と実際にセットした紙の寸法が同じとは限りません。「A4相当だからそのままでよい」と考えず、提出先の指定を確認して下さい。
半分に切っても同じ形になる理由
A列の基本になっているのは、面積1 m²のA0と、短辺:長辺が $1:\sqrt{2}$ という長方形です。A0から長辺を半分にするように切り分けると、A1、A2、A3、A4……と続きます。
なぜ $\sqrt{2}$ なのでしょうか。短辺を $a$、長辺を $b$ とすると、半分にした紙の辺は $b/2$ と $a$ です。向きを回転したときに元の紙と相似になる条件は、
$$\frac{b}{a}=\frac{a}{b/2}$$
となります。これを整理すると $b^2=2a^2$、したがって $b/a=\sqrt{2}$ です。この比なら、半分に切った紙も同じ形になります。
実際の寸法はmm単位の整数で定められるため、表の数値の比が厳密に $\sqrt{2}$ となるわけではありません。A4の210 × 297 mmも、厳密な相似形を整数の寸法にしたものと考えると理解しやすくなります。
A4をA3にする倍率は、約141%
A3の面積はA4の約2倍ですが、縦横それぞれの長さは約 $\sqrt{2}$ 倍です。コピー機の「拡大率」は普通、面積の倍率ではなく、長さの倍率を指します。
- A4 → A3:長さは約 $\sqrt{2}=1.414\ldots$ 倍、すなわち約141%。
- A3 → A4:長さは約 $1/\sqrt{2}=0.707\ldots$ 倍、すなわち約71%。
- 長さを200%にする:面積は $2^2=4$ 倍。A4からなら、おおむねA2に相当。
これらは寸法の丸めや機器の印刷できない余白を無視した目安です。原寸が重要な型紙・図面・スケールなどは、「用紙に合わせる」で自動変倍させず、ページ寸法と印刷倍率を確認しましょう。
用紙を選ぶ際には、A4かLetterか、B5ならJISかISOか、印刷は原寸か自動変倍か。この三点を見れば、よくあるサイズ違いをかなり防げます。
参考資料
- ISO 216:2007:A列・B列の紙の仕上寸法を扱う国際規格の概要。
- 日本規格協会:JIS P 0138:1998「紙加工仕上寸法」:日本の規格と対応国際規格の情報。
- キヤノン:DR-5020/5080Cドライバユーザーズガイド(PDF):本文19ページにISO・JISのB4/B5、Letter等の寸法を併記。
- ドイツ規格協会DIN:Happy birthday, A4!:面積1 m²と相似比を基本にしたA列の仕組み。
- リコー:用紙について:日本と米国で使われるサイズ、面積と縦横比。
規格情報・資料確認:2026年10月2日。上記寸法は仕上寸法の公称値であり、製品の製造公差や印刷可能領域とは区別しています。
