虹は、なぜ見る人ごとに違う位置にあるのか

雑記Topに戻る

虹の根元へ行こうとしても、そこへたどり着くことはできない。虹は、空の特定の場所へ掛けられた色の付いた物体ではないからである。太陽、水滴、見る人の位置がそろったとき、その人の目へ届く光が弧を作って見える。

水滴が光を曲げ、内側で反射する

太陽光が水滴へ入ると屈折し、内部で反射した後、外へ出るときにも屈折する。光の曲がり方には波長による違いがあるため、もともと混ざっていた色が、出ていく方向の違いとして分かれる。多数の水滴から届く光が、色の帯として見えるのである。

主虹では、太陽と反対の方向を中心に、赤い光がおよそ42度の角度に集まって見える。大切なのは、水滴が地図上のどこにあるかだけでなく、太陽から来た光を、どの方向へ送り出す位置にあるかという関係である。

見る場所が変わると、光を受け取る水滴も変わる

同じ雨の広がりを二人が見ていても、それぞれの目の位置は異なる。そのため、目へ虹の光を届ける条件を満たす水滴の組も変わる。二人はよく似た弧を見ていても、固定された一枚の虹を横から眺め合っているわけではない。

歩いて虹へ近づくと、目の位置が変わり、条件を満たす別の水滴からの光を受け取ることになる。虹の根元が景色のどこかと重なって見えても、その場所へ光の帯が刺さっているのではない。景色との重なりは、観察する位置から見た方向の一致なのである。

本来は円であり、見える部分が弧になる

太陽と反対の方向を軸として、一定の角度にある方向をすべて集めると円になる。地上では、地面の下に当たる方向の水滴を見られないため、上側の弧として見えることが多い。高い場所から条件よく見下ろすと、円形の虹が見える場合もある。

NOAAの教材は、飛行機から撮影した円形の虹も紹介している。虹の形は、雨の壁へ色を描いた結果ではなく、光が届く角度の条件が作る形である。観察者を現象の外へ置かず、太陽と水滴とともに配置へ含めることで、虹の不思議は理解しやすくなる。

副虹は、水滴の内部で二回反射した光によって生じる。主虹より外側へ現れ、色の並びも逆になる。

参考資料

参考資料確認日:2026年10月14日。

雑記Topに戻る