無作為抽出では、誰を抽出対象に含めるかが重要になる

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調査対象をくじ引きで選べば、誰の意見でも公平に調べられるように思える。くじに入っていない人は、何回抽選しても選ばれない。無作為抽出では、選び方と同じくらい、誰を選択の対象へ含めたかが重要になる。

知りたい集団と使える名簿

調べたい集団全体を母集団と呼ぶ。ある町の住民の意見を知りたいなら、まず年齢や居住の条件などを決める。その上で、実際に抽出に使える名簿や区域の情報を用意する。これが抽出枠に関わる仕事である。

例えば、町のスポーツクラブの名簿から無作為に選んでも、クラブに入っていない住民は選ばれない。抽選が正確でも、町全体を調べるという目的には対象の漏れがある。「無作為」という言葉は、名簿の外側まで代表する保証ではない。

人数を増やしても直らない偏り

抽出に伴う偶然のばらつきは、一般に標本を増やすことで小さくできる。対象の一部が最初から抜けている問題は、それとは異なる。同じ偏った名簿から人数を増やしても、欠けた人が加わるわけではない。

ネットで自由に回答を募る調査にも、参加できる人と、実際に回答したい人という選択が入る。多数の回答が集まったことと、目的の母集団から確率的に選ばれたことは別である。人数の大きさだけでは、推論できる範囲を判断できない。

抽出後にも対象は減る

適切な枠から対象を選んでも、連絡が取れない人や回答しない人がいる。回答者と非回答者の間に、調べたい項目と関係する違いがあれば、結果が偏る可能性がある。抽出方法に加え、回収の過程も確認する必要がある。

統計調査では、地域や属性で層を作り、段階的に抽出し、必要に応じて重みを使う。こうした工夫も、母集団と抽出過程の理解が前提となる。調査結果を読むときの最初の問いは、「何人に聞いたか」だけではない。「誰について知りたくて、誰が選ばれる仕組みだったか」である。

単純無作為抽出では各対象を等しい確率で選ぶ。確率標本抽出には、目的に応じて異なる既知の確率で選び、集計時に重みを調整する方法もある。

参考資料

参考資料確認日:2026年10月14日。

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