シリコンとシリコーンは同じもの?

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シリコンは元素の「ケイ素」、シリコーンはケイ素を含む高分子をもとにした材料の総称です。半導体のシリコンと、調理器具などに使うシリコーンゴムでは、原子のつながり方も性質も異なります。さらに似た名前の「シリカ」は二酸化ケイ素を指します。

シリコン・シリコーン・シリカの早見表

似た名前の三つの物質を整理
名称 英語・化学的な意味 身近な例
シリコン silicon:元素ケイ素(Si)。材料名ではその単体を指す 半導体用のシリコンウエハー、太陽電池
シリコーン silicone:主に有機基を持つポリシロキサンをもとにした材料 シリコーンゴム、オイル、シーリング材
シリカ silica:二酸化ケイ素(SiO2) 石英・水晶、シリカゲル、ガラスの主な原料

英語では、siliconの最後にeが付くとsiliconeになります。ただし、化学的には単なる表記の違いではありません。日本語の商品名では「シリコンゴム」「シリコン製」と短く書かれる場合があるので、厳密に区別したいときは材質欄も確認します。

シリコンは周期表に載っている元素

ケイ素の元素記号はSi、原子番号は14です。高純度の単体シリコンは、電子部品を作る半導体材料として利用されています。元素としての「ケイ素」は原子の種類を表す言葉で、シリコンウエハーという材料を指す場合には、そのケイ素からできた固体を意味します。

ここで大切なのは、「ケイ素を含む」と「単体のケイ素である」は別の説明だということです。食塩がナトリウムを含んでいても金属ナトリウムと同じ性質にならないのと同様に、ケイ素を含む物質にもさまざまな種類があります。シリカやシリコーンの性質を、半導体のシリコンからそのまま予想することはできません。(参考:英国王立化学会のケイ素の解説)

シリコーンの骨格はSiとOの繰り返し

代表的なシリコーンでは、ケイ素と酸素が「…-Si-O-Si-O-…」とつながり、ケイ素にはメチル基などの有機基が結合しています。こうしたSi-O-Siのつながりをシロキサン結合といい、繰り返しつながった高分子がポリシロキサンです。

例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)では、主鎖中のケイ素にメチル基(-CH3)が二つずつ付いています。シリコーンは一つの分子だけの固有名ではなく、構造や配合の異なる材料を含む呼び名です。業界によっては、さらに広い意味で有機ケイ素化合物を指すこともあります。(参考:信越化学工業のシラン・シロキサン・シリコーンの解説)

鎖の長さや枝分かれ、鎖どうしの結び付きなどを変えることで、液体のオイル、弾力のあるゴム、樹脂などを作り分けられます。したがって「シリコーン=柔らかいゴム」とも限りません。製品の耐熱温度や使える薬品は、シリコーンという名前だけでは決まらず、個別の仕様を確認する必要があります。(参考:信越化学工業の用途ガイド)

シリカとシリカゲルはどこが違う?

シリカはSiO2という組成を持つ二酸化ケイ素です。石英や水晶はその結晶の例です。一方、乾燥剤でよく見るシリカゲルは、多孔質のシリカを利用したもので、細かな孔のある表面に水分を吸着させます。「ゲル」と付いていても、シリコーンゴムの仲間という意味ではありません。(参考:富士シリシア化学の吸着剤の解説)

シリカとシリコーンはどちらもSiとOを含みますが、代表的なシリコーンはケイ素に有機基を持つ点などが異なります。また、シリコーン製品に補強材などとしてシリカを配合することもあります。原料や添加物として一緒に使われることと、同じ物質であることは分けて考えましょう。

見分け方を一行にまとめると、「Siはシリコン、SiO2はシリカ、有機基を持つポリシロキサン系の材料はシリコーン」です。元素名・化合物名・材料の総称という、名前の指す範囲の違いを押さえると整理できます。

参考資料

規格・資料の確認日:2026年10月2日


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