シロアリの巣では、空気がどう流れているのか

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地面から高く突き出たシロアリ塚を見ると、多くの個体が住む高層住宅のように思える。地下の巣へつながる塚には、空気を動かす通路としての役割もある。昆虫の集団が作る構造は、周囲の温度変化を利用して、内部のガスを入れ替えている。

呼吸する集団には、ガス交換が必要になる

シロアリや、巣で育てられる菌類が呼吸すると、酸素が使われ、二酸化炭素が生じる。閉じた空間で活動を続けるには、外とのガス交換が欠かせない。塚の内部の通路や、空気を通す壁の性質が、この交換へ関わる。

ハーバード大学などの研究者は、インドのOdontotermes obesusというシロアリの塚で、温度、空気の流れ、二酸化炭素濃度を直接測定した。外形を眺めて機能を推測するだけでなく、内部で何が起こるかを昼夜にわたって追ったのである。

温まり方の違いが、空気を循環させる

調べられた塚では、外側の細い通路が、奥の太い通路よりも日中に早く温まる。空気の温度差によって、外側を上がり、内側を下がる循環が生じる。夜には外側が早く冷え、流れの向きが変わる。

同じ空気でも、温まった部分と冷えた部分では密度が異なる。通路のつながりと温度差がそろうことで、送風機がなくても空気が動く。塚の各部分が同じ速さで温まり、同じ速さで冷えるなら、この差を利用する働きは弱くなる。形だけでなく、熱の伝わり方が重要なのである。

通路と壁が、一緒に換気を支える

空気が内部を回ることと、二酸化炭素が外へ出ることは別の過程である。循環は内部のガスを壁の近くへ運び、壁を通る拡散が外気との交換を支える。塚は単に上へ煙を抜く一本の煙突として働いているわけではない。

この研究から建築へ学べるのは、自然の構造をそのまま大きく写すことより、温度差、通路、材料の性質を組み合わせる考え方である。生物種や気候によって塚の形と働きは異なる。どの環境条件が、どの流れを生むのかを測ることで、身近な物理が生物の住まいを支える様子が見えてくる。

本文の昼夜で反転する流れは、特定のシロアリ種を対象とした研究結果である。シロアリ塚の換気には、種類や構造によって異なる仕組みが関わる。

参考資料

参考資料確認日:2026年10月14日。

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