人は、なぜ途中まで聞いた曲の続きが気になるのか

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よく知っている曲が途中で止まると、その先を頭の中で歌い始めることがある。続きを聞きたいという感覚と、短い旋律が勝手に繰り返される感覚は似ているが、同じ現象とは限らない。音楽の記憶が、聞こえている時間の外へ続く仕組みを考えてみたい。

音が止まっても内側の歌は続く

短い音楽の断片が意図せず浮かび、頭の中で繰り返される現象は、イヤーワームや不随意音楽イメージと呼ばれる。外で実際に音が鳴っている必要はない。サビの一部だけが何度も戻ってくる経験も、研究の対象となっている。

知っている曲を途中まで聞けば、記憶を使って次の部分を思い浮かべられる。音楽を聞くことは、その瞬間の音を受け取るだけではない。すでに聞いた並びを保持し、その先と結び付ける働きも含んでいる。

未完了だから残る、で全部は説明できない

途中で中断された課題が気になるというツァイガルニク効果は、未完の曲を説明する候補として挙げられてきた。音楽については、途中まで聞いた条件と最後まで聞いた条件で違いが出た研究と、同じような違いが出なかった研究がある。

2021年の『Music Perception』の研究では、歌いたくなる曲が言語的な課題を妨げ、提示後にも影響が続くことが調べられた。実験の一つでは、途中で止めた条件の方が影響が強かった。研究者は、頭の中で歌う活動とワーキングメモリの関係を検討している。

曲と聞き手の組合せが重要になる

同じ曲でも、よく知る人と初めて聞く人では、その先を思い浮かべるための記憶が違う。歌いたくなるかどうかも人によって異なる。繰り返し聞いた経験や、直前に耳にしたことは、音楽が頭に戻る条件として研究されている。

途中の曲が気になるとき、単に一つの心理法則が作動していると考えるより、続きの予測、記憶の再生、内側で歌う活動を分けて考える方が理解しやすい。曲の終わりを聞けば必ず収まるという万能な関係まで、実験から導けるわけではないのである。

続きへの好奇心とイヤーワームは区別される。本稿で紹介した実験は、あらゆる音楽や個人に同じ反応が生じると示したものではない。

参考資料

参考資料確認日:2026年10月14日。

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