途中で得た情報が確率を変化させる理由を具体例で詳しく解説

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情報を得ると確率が変わるのは、考えるべき場合と、その重みを更新するからです。結果そのものが過去へさかのぼって変わるのではありません。「何を知る前か、何を知った後か」を確率に添えて書くと、直感的な食い違いを整理できます。

サイコロで、候補を六つから三つへ絞る

公平なサイコロを1回振り、まだ目を見ていないとします。「6が出た」確率は1/6です。ここで、結果を知る人から「偶数だった」と、決められたルールに従って正しく教えてもらいました。残る候補は2・4・6の3個で、いずれも同じ重みなので、6の確率は1/3になります。

一般には、出来事Bが起きたと分かった後でAが起きている確率を$P(A\mid B)$と書き、$P(B)>0$のとき$$P(A\mid B)=\frac{P(A\cap B)}{P(B)}$$です。分母でBに合う場合全体を取り直し、その中でAにも合う部分の割合を求めています。

ただし、残った候補の個数だけを数えてよいのは、候補の重みが等しい場合です。人が都合のよい結果だけを選んで教えるときは、同じ言葉を聞いても、その情報の出やすさまで考える必要があります。

袋の中身は、見た結果によって推測が変わる

袋Aには赤玉2個・青玉1個、袋Bには赤玉1個・青玉2個が入っています。まず袋をA・Bから半々で選び、その袋から玉を1個、各玉が等確率で選ばれるように取り出します。赤玉だったと分かったとき、選ばれた袋がAである確率を求めます。

袋と色の組合せの、観測前の確率
選んだ袋 赤を引く 青を引く
A(選択確率1/2) 1/2×2/3=1/3 1/2×1/3=1/6
B(選択確率1/2) 1/2×1/3=1/6 1/2×2/3=1/3

赤という情報に合う部分は、Aから赤の1/3と、Bから赤の1/6です。したがって$$P(A\mid\text{赤})=\frac{1/3}{1/3+1/6}=\frac23$$となります。候補の袋は二つ残っていますが、確率は半々ではありません。Aの方が赤を出しやすいからです。

モンティ・ホール問題は、司会者の規則まで書く

3枚の扉のうち1枚に賞品があり、その位置は等確率とします。参加者が1枚を選んだ後、司会者は賞品の場所を知っていて、選ばれていないはずれの扉を必ず1枚開けます。開けられるはずれが2枚なら半々で選び、毎回必ず残った扉への変更を提案する、と決めます。

この規則なら、最初の選択が当たりの確率は1/3で、その場合は変更すると負けます。最初がはずれの確率は2/3で、その場合、司会者が別のはずれを除くため、残る扉は当たりです。したがって「毎回変更する」作戦の当選確率は2/3になります。

司会者がどの扉を開けたかまで条件にする場合も、この半々の規則を使えば同じ結論です。例えば参加者が1を選び、司会者が3を開けたとき、賞品が1なら3を開ける確率は1/2、賞品が2なら確率1。観測の重みは1/6と1/3なので、賞品が2である条件付き確率は2/3です。

知らずに扉を開けたなら、答えは変わる

比較として、司会者が賞品を知らず、参加者の選ばなかった2枚から無作為に1枚開ける方式を考えます。その結果がたまたまはずれだった場合だけを見ます。最初に当たりを選んでいた場合は必ずはずれが開きますが、最初にはずれを選んでいた場合は半分の確率で賞品を開けてしまいます。

「変更して当たり、かつ司会者がはずれを開けた」の確率は$(2/3)(1/2)=1/3$。司会者がはずれを開ける全確率は$1/3+(2/3)(1/2)=2/3$なので、その情報の下で変更して当たる確率は$(1/3)/(2/3)=1/2$です。

どちらも目の前には閉じた扉が2枚あります。しかし、その状態に至る規則が違います。「候補が二つだから半々」も「モンティ・ホールだから必ず2/3」も、規則を省くと危険です。

確率の更新で確かめる三つのこと

まず、観測前の候補と確率を決めます。次に、その候補ごとに、今の情報がどれくらいの確率で得られるかを調べます。最後に、情報に合う重みを合計1になるように割り直します。袋の例でも扉の例でも、行っているのは同じ操作です。

なお、情報を得ても確率が変わらない場合もあります。独立な別のサイコロが偶数だったと聞いても、最初のサイコロの6の確率は1/6のままです。何でも知れば変わるのではなく、その情報が対象とどのように関係しているかが重要です。くじの順番と確率も、この区別の身近な例です。

参考資料

資料確認日:2026年10月2日。本文の数値例・模式図は、特記したものを除き本記事の説明用に作成しています。

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