本稿では日本の主要な大学の入試に使われる解答用紙(のコピー)が入手できるウェブサイト等をまとめます。答案作成のコツにも少し触れます。
教学社の公開データ
教学社はあの「赤本」の出版社ということもあり、解答用紙の配布元としては最大手です。大学数に限りはありますが、最近は充実してきています(※現在、東大の解答用紙は教学社では配布していないようです)。
北海道大学
東北大学
東京工業大学
学習院大学
明治大学
横浜国立大学
新潟大学
金沢大学
名古屋大学
京都大学
同志社大学
立命館大学
大阪市立大学
関西学院大学
神戸学院大学
東京大学の解答用紙
東大の場合は以下のサイトで解答用紙をダウンロードできます。
この他に東進の古いページや各種個人ブログ等でも東京大学の解答用紙を配布していたりしますがモノクロのものがほとんどです。その点、東大入試ドットコムで公開されている解答用紙はカラー刷りが可能なので、特に理系数学の解答用紙はお勧めです。
東大理類の数学の解答用紙は1枚目が青色、2枚目が褐色で印刷されています。解答用紙を取り違えるととても悲惨なことになりますので、普段から練習しておくと良いと思います(解答欄を間違えるなんてそんなバカな、と思われるでしょうが、恐ろしいことに試験本番というのは何が起こるか分からないものなのです…)。聞いた話によれば、東大数学では断った上で別の問題の解答欄を使用しても採点されないという噂があります。真偽のほどは定かではありませんが・・・。(誰か確かめて教えて下さい)
東大の理科科目の試験ではノートのように罫線が引いてある答案用紙に自由な形式で解答を記入します。色々なウェブサイトや書籍で紹介されているように、半分に分割して使うのがお勧めです。解答の途中経過まで書くように要求されていますが、あまり詳しくなり過ぎないようにサラッと仕上げるのが理想です。
特に、東大受験の経験の乏しい物理・化学選択の受験生は最初に取り組む力学の図などを描くのに一生懸命になってしまい、余計な時間を取られてしまう傾向があります。大問あたり20点しかないことを念頭に置き、1問目に力を入れすぎないように注意して、図や絵などの描き込みは最小限に留めましょう。答案には式の根拠となる事実や法則名などを書いておけば十分です。
それから、理科のどの科目にも言えることですが、答えは他人にも分かりやすいように下線を引いたり四角で囲んでおくと採点官に親切な答案になります。採点作業は結構大変なので・・・。
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京都大学の解答用紙
京大の理科科目では東大の様式とは違い、問題ごとに回答欄がちゃんと用意されています。したがって、解答用紙の使い方に慣れておく特段の練習が要る訳ではありません。一部には計算過程や導出課程も含めて記述させる問題もありますが、形式についてはあまり神経質にならなくても良いでしょう。
京大数学の解答用紙は見開きB4サイズで解答用と計算用に半分ずつB5サイズで分けられています(教学社が公開している資料には解答用の部分しかありません)。計算用の部分には思考過程を記しておくのが普通ですが、基本的には採点対象外なので何を書いても怒られることはないと思います(多分)。計算用部分については、解答用のスペースだけでは答案が収まりきらない場合に「右上に続く」などと明示して計算用の部分に追記する、という使い方も可能でしょう。この方法で解答して減点されたという話はこれまで聞いたことがありません。
その他の大学の解答用紙
東工大の数学は1問につきB4一枚の解答用紙が配布されますが余白がそれなりにあるため、解答スペースはA4より一回り大きいくらいです。東工大数学は基本的に日本の大学受験数学の中では最もヘビーで、どの問題も記述量が膨大になります。用紙のデッドスペースを減らすため、答案はできるだけ二つ折りにしてコンパクトに使用しましょう。なお、東工大の理科は回答欄が問題ごとに用意されています。
阪大数学では解答用紙が冊子状になったものが1人1部ずつ配布されます。この冊子から1枚ずつミシン目に沿って切り離して使います。表裏両面が使用可能なので解答スペースに困ることはほとんど無いでしょう。以前は解答用紙に問題文が印刷されている時代もありましたが、最近は問題番号だけが記載されているようです。解答用紙はどれも似たり寄ったりの見た目なので、解答する問題番号と答案用紙の番号が正しく合っているかをしっかり確認する必要があります。
大抵の大学の数学では、問題番号だけが記載されている答案用紙が主流です。名古屋大や北大、東北大などもそうですね。名古屋大は答案用紙の裏面が使えたかどうかは覚えていません・・・。東北大では同じような解答用紙が理系は3枚配られるので一層注意しなければなりません。一方で、九州大学の数学では前期後期ともに解答用紙に問題文の冒頭部分が印刷されています。親切極まりないことですね…。
問題番号と異なる場所に書かれた答案は普通は0点扱いになります。血も涙もない・・・と言われればそうかもしれませんが、そういったケアがきちんとできているかどうかも含めて試験として成り立っているということでしょう。解答箇所を取り違えるなどというつまらないミスで人生を棒に振る(?)ことの無いよう、普段からよく注意する癖を付けておくべきです。
もし試験終了間際に解答欄の取り違えに気付いてしまった場合、解答用紙に印刷されている問題番号を自分で書き換えてもダメなんでしょうかね?(まあダメそうですが、悪あがきはしておいた方が良いかもしれません・・・)
新潟大や金沢大の数学の答案用紙にはあらかじめ中央に破線が印刷されているようです。解答スペースを半分に区切るなど工夫して解答用紙を無駄なく使うというのは皆さんが想像している以上に重要です。コンパクトに記述していて解答スペースに余裕があれば、もし間違いに気付いたとしても消しゴムで消さずに該当箇所に大きくバツ印を書くだけで済むからです。消しゴムで答案を消す作業は時間のロスにもなりますし、不要な焦りも生まれるため、試験場では想像以上に大きなストレスになります。答案はできるだけスマートに、かつコンパクトに仕上げることを目指しましょう。ただし字は小さくなりすぎないように、かつ丁寧に書きましょう。
最近では過去の入試問題と一緒に解答用紙を配布している大学も増えてきました。例えば、防衛医科大学校の解答用紙はこちらのページに掲載されています。皆さんが志望する大学の公式サイトを調べて解答用紙が配布されていないか確かめてみることをお勧めします。
予備校主催の大学別模試では本番さながらの解答用紙が配布されます。答案の構成や書き方について経験を積むことのできる数少ない機会なので、積極的に利用することをお勧めします。その他、大学別の細かい採点基準や答案の書き方の指南については、他のウェブサイトを適宜参照したり、予備校講師に尋ねてみてください。