古来、数学とは目的であると同時に手段でもあった。数学を美しいと感じるか否かはさておき、太古から人々の生活に欠かせない実学であったことは事実である。数えられる数という体系に始まる数論、長さや高さ、広さといった量を測るための図形的な研究から生まれた幾何学が創始され、数式という概念を高度に発達させて誕生した代数学からは後の微分積分学が成立する。現代における数学教育とはこうした過去の遺産の追認であり追体験であることは前頁の記事で触れられている通りである。
今回は数学以外の学問との関わりという観点から数学という世界の一端を覗いてみよう。 “微分積分学と物理学①” の続きを読む