3.合同式(mod)~余りで分類する方法~
3.1 合同式の定義と演算
世の中には「合同式」という余りを計算するための非常に便利な道具があるのですが、残念なことに高校ではあまり深い内容まで扱ってもらえていないようです。
ここでは合同式というものを習ったことが無い人や理解が曖昧な人のために、合同式の定義から確認していきます。
● ● ● 《定義》 ● ● ●
2つの整数
「
といい、これを
「
と書く。これより、
が成り立つ。
● ● ● ● ● ● ● ●
以上が合同式の定義です。
式のまま考えると良く解らない人は次のような具体例で考えてみてください。
例えば
と書くことができます。基本はたったこれだけです。
しかしこれだけを知ったところで合同式のありがたみは全く伝わらないでしょうから、以下に合同式において可能な式変形を示しておきます。それぞれに名前が付いていますが、覚える必要は全くありません。
① 「反射律」:
② 「対称律」:
③ 「推移律」:
これらより、
(1)
(2)
(3)
(4)
このように合同式では基本的に割り算以外の四則演算が可能です(コレ重要!)。
しかし特殊な場合に限って割り算も可能となります。
割り算についてまとめると、
(5)
となりますが、この変形は
では先ほどの続きを。上記の性質より、
ここで簡単な例題を取り上げてみます。
《解答例》以下、合同式はすべて
《解答例》以下、合同式はすべて
(コメント)
それから、合同の記号「
「
という書き方や
「
という書き方があります。
例えば「
「
や
「
と書けるということです。こうすることで等号「
・・・と、ここまでは前座で、次のページからがメインです。次の項では合同式の威力をさらに体感していただくために色々な例題を解いていきます。