線形代数2.4.8

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 問題2.4.8

$A$が$m$次正則行列、$D$が$n$次正則行列ならば、任意の $m \times n$ 行列$B$、 $n \times m$ 行列$C$に対し、次の行列 $X$、$Y$、$Z$ は正則であることを示せ。また $X^{-1}$、$Y^{-1}$、$Z^{-1}$を求めよ。

$X=\left[\begin{array}{ll}
A & B \\
O & D
\end{array}\right]$、$Y=\left[\begin{array}{ll}
A & O \\
C & D
\end{array}\right]$、$Z=\left[\begin{array}{ll}
B & A \\
D & O
\end{array}\right]$

 

 ポイント

$X$、$Y$、$Z$ が逆行列をもつことを証明します。例えば、$XX^{-1}=E$ を満たすような行列$X^{-1}$が存在すれば$X$が正則であることが言えます。

 

 解答例

$A$は$m$次正則行列、$D$は$n$次正則行列であるから、逆行列$A^{-1}$、$D^{-1}$が存在することに注意する。

$X=\left[\begin{array}{ll}
A & B \\
O & D
\end{array}\right]$ に対して、$XX^{-1}=E$ を満たすような行列$X^{-1}$が存在するとすれば、$X^{-1}$は$$X^{-1}=\left[\begin{array}{ll}
A^{-1} & K \\
O & D^{-1}
\end{array}\right]$$と置ける。これより、$$\left[\begin{array}{ll}
A & B \\
O & D
\end{array}\right]\left[\begin{array}{ll}
A^{-1} & K \\
O & D^{-1}
\end{array}\right]=\left[\begin{array}{ll}
E & O \\
O & E
\end{array}\right]$$ $$\therefore \left[\begin{array}{ll}
E & AK+BD^{-1} \\
O & E
\end{array}\right]=\left[\begin{array}{ll}
E & O \\
O & E
\end{array}\right]$$となるので、この恒等式が成り立つには$$AK+BD^{-1}=O$$であればよい。よって$$K=-A^{-1}BD^{-1}$$となるから、$$X^{-1}=\left[\begin{array}{ll}
A^{-1} & -A^{-1}BD^{-1} \\
O & D^{-1}
\end{array}\right]$$と求められる。$X$には逆行列が存在するから正則である。

同様にして$$Y^{-1}=\left[\begin{array}{cc}
A^{-1} & O \\
-D^{-1} C A^{-1} & D^{-1}
\end{array}\right]$$を得るから$Y$は正則である。

また、$Z=\left[\begin{array}{ll}
B & A \\
D & O
\end{array}\right]$ の場合は$$Z^{-1}=\left[\begin{array}{ll}
O & D^{-1} \\
A^{-1} & K
\end{array}\right]$$の形で置けるので、計算すると$$Z^{-1}=\left[\begin{array}{cc}
O & D^{-1} \\
A^{-1} & -A^{-1} B D^{-1} &
\end{array}\right]$$を得るから$Z$は正則である。

 


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