こんにちは。管理人のpencilです。もう3月も終わりかけ、日に日に暖かくなっていくのを感じます。
今回はあるパズル(?)についての簡単な話題。
突然ですが、次のようなタイプの問題を見かけたことのある人は多いのではないでしょうか?
まずは気楽に解いてみて下さい。
《問題》
数字「44」のみを用いて 1000010000 を表しなさい。ただし、使用して良い演算は高校数学の教科書で一般に扱うものに限るとする。
・・・どうでしょうか?
これは数学の問題というよりはクイズですが、色々と試行錯誤できるところがこうした問題の面白さですよね。まず一番簡単に思い付く表し方は44444−44444=1000044444−44444=10000でしょうか。これだと数字「44」は10個使用されています。
では、できるだけ少ない個数の「44」を用いて1000010000を表してみて下さい。これを5分以内で求められれば、なかなか数字(数学?)のセンスがあるかもしれません(笑)。
管理人の方でも一応答えは用意していますが、これより少ない個数で1000010000を表せるような気はしませんね・・・。コメント欄にて皆さんの回答を気長にお待ちしています(笑)。これだ!と思う答えを思い付くまでコメント欄を見ないことをお勧めします(笑)。
意欲のある方は100000100000や10000001000000にも是非チャレンジしてみてください!(もちろん1010の累乗に限る必要性はないのですが・・・)
後腐れ(?)の無いよう念のためにヒントを付けておきますが、できれば答え合わせ代わりに使ってください(笑)。
» ヒント①
先ほど述べた通り、44444−4444444444−44444 は「44」を10個使用しています。うまく表現できれば使用回数をこの半分以下に抑えることができます。
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» ヒント②
管理人で用意しているものは「44」を4個使用するものです(ただし基本的に四則演算を使っています)。皆さん見つけられましたか?
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(2018/03/29追記)
いつもお世話になっている たけちゃん さんからコメントを頂きました。コメント欄で紹介して頂いた方法によれば44に限らず、22から99までの任意の数字によって任意の整数を表すことができます。ガウス記号と自然対数を組み合わせるだけで任意の整数値を与えることができます。また、根号と階乗([√x][√x] と x!x!)を頑張って組み合わせれば任意の整数値を表せることも示唆されますが、一般的に求めるのは難しそうです。ただ、個人的には[√(−[−√4!])! ]4=10000[√(−[−√4!])! ]4=10000という等式が成り立つことにそこはかとなく美しさを感じます・・・。(ただ、問題冊子のページをめくった途端に
「[√(−[−√4!])! ]4[√(−[−√4!])! ]4の値を求めよ」
とかいう問題が出てきたら流石に引きますね(笑))
「高校数学の教科書で一般に扱う演算」となると,
ガウス記号あたりは微妙ですが,許容されるとすれば,
[√(−[−√4!])!]4=10000
が成り立ちます.
この式の一部に,1つの 4 を用いて 5 を作っている部分がありますが,
指数部分を,同様の手法で 5 に変えれば 100000 が表され,
指数部分を [√√5!]!=6 に変えれば 1000000 が表されます.
[√x] と x! を組み合わせて数をいろいろと変換していけば,
10000 などを1つの 4 だけで表すこともできる可能性はありますが,
探すのは大変です.
より一般的な方法として,
[1] まず,4 を1つだけ用いて,√ を n 回施すことで,
412n を作ることができる.これを A とする.
[2] logAlog4 は 12n である.
これを B とする.
[3] −logBlog√4 は n である.
という3段階で,
3つの 4 を用いて任意の自然数 n を表現することが一応可能です.
ただし,ある程度大きな数については,
√ が多すぎて,書くのも読むのも現実的ではありません.
たけちゃん さん
コメントありがとうございます。
一応、ガウス記号(床関数)はこちらで想定していた演算なのでOKです。二重階乗もウォリスの公式で登場するためギリギリセーフかとは思いますが、最近の高校数学の教科書に載っているかどうかは分かりません。
四則演算抜きだと log を使う方法が有力かとは思っていましたが、それを抜きにしても、実はたった2個で表すことができるんですね!しかもそれほどややこしい形でもないので驚きです。
四則演算を使ったら当然個数は嵩みますよね・・・。
仰る通り、根号と階乗とガウス記号を組み合わせる方式だと1個の 4 だけで表すこともできそうではありますが、見つけるのはなかなか難しそうです。
このようにして1個の 4 だけ(特に 4 に限る必要は無いのですが)で、ある数を表現することの可能性or不可能性といったものの証明はそもそも可能なのでしょうか・・・?
高校の教科書では,二重階乗は見たことがない気がします.
高校生にとっては,例えば 3!!=(3!)!=6!=720 となりそうです.
昨日の log を用いる方式は,
基本的には「対数」を二項演算とみなす考えを元にしています.
(対数は,一応「自然対数」で書いてはありますが,
「対数の比」の形に限定しているのはその考えの名残です.)
対数を二項演算とみなす立場(高校の教科書はその立場だと思います)では,
自然対数は「底の e の記述が省略されている」ものであり,
その意味で,比の形でない対数を使うのは気が引ける気分がありました.
(文字定数である e や π は,
数字を使わずに具体数が作れるので,さすがに反則ですね.)
そんなことは気にせず,自然対数は使ってよいものとすると,
実は任意の整数を1個の「4」で表すことができると思います.
昨日の,3つの 4 を用いる方法のバリエーションで,
次のようにできそうです.
[1] まず,4 を1つだけ用いて,√ を n 回施せば,
412n ができる.これを An とする.
[2] logAn は,2log22n である.
これを Bn とする.
[3] −logBn=nlog2−log(2log2) である.
これを Cn とする.
この手続きで得られる等差数列 {Cn} は,
初項が C1=−log(log2) で,0<C1<1 であり,
公差 d は,d=log2 で,0<d<1 なので,
さらにガウス記号を用いた [Cn] は,任意の負でない整数値をとります.
よって,必要に応じて − を付ければ,任意の整数を表すことができますね.
たけちゃん さん
返信ありがとうございます。
ご提示頂いた方法に則れば幾らでも所望の整数を表すことができますね!
この方法なら使用する数字が 4 でなくても適用できると思います。
使用する数字を 2~9 のいずれか1種類(仮に x とします)とすると、初項 C1 はC1=−log(logx2)となるので、x≠2 ならば 0<|C1|<1 となります。 公差はいずれの場合も log2 なので、3~9 のいずれか1種類の数字1個のみで任意の整数を表せることが分かります。 x=2 のときは C1>1 となりますが、0 は [log2] と表せるので、結局 2~9 のいずれか1種類の数字1個のみで任意の整数を表せることが言えますね。
自然対数や常用対数は底を省略しているだけなので何とも言い難いところではありますが、このクイズの答えとしては十分アリだと思います。