プロメチウム(Pm):原子炉から生まれた希土類の空席

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プロメチウムは安定同位体を持たない希土類元素です。周期表の空席を埋めた発見は、原子炉で生まれる物質を分離する技術から生まれました。

Pm|原子番号61|プロメチウム
原子番号61。すべての同位体が放射性で、研究用試料は核反応によって製造します。

見てみよう:姿・色・三態の変化

放射性の金属です。大量の天然鉱石から取り出す一般的な金属とは異なり、主に核反応で生まれた物質から分離します。研究する量が限られるため、見た目を楽しむ標本より、原子核の性質や化学分離が中心になります。

項目 状態・温度
20℃・約1気圧 固体
融点の目安 約1042℃
沸点の目安 約3000℃
三態の見取り図 融点より低温で固体、融点と沸点の間で液体、沸点より高温で気体(約1気圧・平衡状態の目安)

温度は純物質の代表値を読みやすく丸めています。約1気圧を基本とし、同素体・純度・圧力で値は変わります。融解や沸騰の境界では二つの相が共存します。

同素体と原子の並び方

金属としての固体の性質が研究されています。酸化物や塩の色を、単体金属の色と混同しないことが大切です。放射性崩壊は時間とともに試料の核種を変えます。

出典:英国王立化学会(RSC):プロメチウムの基本物性・発見史

同位体の分布:原子核の違いを読む

安定同位体はなく、一定の天然組成を示す割合表はありません。¹⁴⁷Pmなどが利用され、試料の中身は製造方法と経過時間によって変わります。

一定の天然存在比がない元素には、合成試料の割合を天然の割合として載せていません。核種ごとの半減期・崩壊経路は、研究機関の核データで確認できます。

出典:IAEA:LiveChart of Nuclides(核種データ)

発見の歴史:1945年に空席を埋める

1945年、米国のマリンスキー、グレンデニン、コリエルはウランの核分裂生成物を調べ、原子番号61の元素を同定しました。化学的によく似た希土類をイオン交換で分ける技術が決め手になりました。元素名はギリシャ神話で人類に火をもたらしたプロメテウスに由来します。

性質:放射性でも希土類の化学に従う

溶液中では主に3価のイオンとなります。原子番号が隣り合うネオジムやサマリウムとの比較は、ランタノイドの大きさや結合の変化を調べる鍵です。短い寿命と試料の少なさが、実験を難しくしてきました。

現代の研究:溶液中の結合を測る

2024年、米国オークリッジ国立研究所などの研究者は、プロメチウムを含む錯体を溶液中で調べました。原子炉での製造、化学分離、精密な測定が一つの研究を支えています。周期表に名前が載った後も、基礎的な化学の空白を埋める作業が続いています。

具体的な用途と製品

製品・用途 使われる形 性質と役割
配位化学の研究 プロメチウムの錯体 結合やイオンの大きさを比較する
原子力電池の開発史 プロメチウム147 ベータ線のエネルギーを利用する
放射線源の研究・特殊用途 分離した放射性同位体 放射線の性質を利用する

主な産地と供給網

商業採掘の対象となる鉱床はありません。米国オークリッジ国立研究所のような核物質の製造・分離施設が供給を担います。原料の鉱山所在国よりも、照射設備と高純度分離の能力が供給量を決めます。

資源貿易と地政学

調達では同位体の種類、純度、放射能、納期を指定します。時間とともに放射能が減るため、輸送や実験の日程も品質の一部です。通常の金属の貿易統計では捉えられない、研究施設を結ぶ供給網です。

自然界にもごく微量が生じます。原子力電池は歴史的・特殊な用途で、一般の電池に広く使われる材料ではありません。

出典:英国王立化学会(RSC):プロメチウムの発見史・性質

出典:ORNL:プロメチウム錯体の研究(2024年)

資料確認:2026年10月。資源統計の対象年は各出典に記載しています。

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