全118元素を、発見の歴史から現代の製品・資源貿易まで読み解きます。
原子番号1の水素から118のオガネソンまで、各元素に専用ページを設けました。物語と写真を入口に、固体・液体・気体の姿、同素体、同位体、暮らしの製品を読み解きます。発見者の工夫や、主要な産出国、精製・加工の拠点、国際的な供給網も紹介します。
物語から元素へ:気になる話を一つ選ぼう
大きな仏像、古代の王の手紙、軍服のボタン、遠い町の港。身近な物や歴史の出来事にも、元素の性質が関わっています。まずは気になる物語から読み進めてください。
- 金色に輝いていた奈良の大仏:金・銅・水銀が担った別々の役割。
- ヒッタイト王の手紙と鉄の時代:貴重な贈り物から、大量に使う材料へ。
- ナポレオンのボタンと錫ペスト:結晶が変わる現象と、歴史の逸話を調べる。
- パース周辺とボーキサイト・アルミナ産業:鉱山、工場、港、電力をつなぐ。
- 恐竜の時代の終わりを記録したイリジウム:薄い地層から、小惑星衝突へ迫る。
- 太陽の光に見つかったヘリウム:遠くの星を、地上で元素分析する。
- 小さな採石場から生まれた元素名:イッテルビーと希土類の発見をたどる。
- 発見前に席が用意されていたガリウム:周期表の予測を、測定で確かめる。
写真と性質を読むための三つの手掛かり
固体・液体・気体:温度と圧力をそろえて比較します。金属にも液体や気体の状態があります。ヘリウムの固化や炭素の昇華のように、圧力が重要な例も紹介します。
同素体:同じ元素の単体でも、原子の結び方や並び方が変わると性質が変わります。黒鉛とダイヤモンド、白スズと灰スズがその例です。
同位体:陽子の数が同じで、中性子の数が違う原子です。各ページの表では原子の個数の割合を示し、年代測定、医療、地球や宇宙の研究へのつながりを説明します。
53点のクリエイティブ・コモンズ画像を各元素のページに掲載しています。写真の下には、写っている試料の説明と撮影者・出典・ライセンスを付けました。単体、化合物、保存用の容器や支持体を見分けながら眺めてみてください。
天然の同位体比は試料によって変わる場合があります。短寿命の人工元素など、色・融点・三態を十分な量で測定していない元素は、実測と予測を区別しています。歴史上の逸話も、史料で確認できる内容と後世の説を分けて記載しています。
118元素の索引
周期ごとに原子番号順で並べています。元素名を押すと詳しい解説が開きます。
第1周期:原子番号1–2
第2周期:原子番号3–10
第3周期:原子番号11–18
第4周期:原子番号19–36
第5周期:原子番号37–54
第6周期:原子番号55–86
第7周期:原子番号87–118
製品・資源のテーマから探す
- 電池・電力・磁石:リチウムの充電池/コバルトの正極材料/ニッケルの電池材料/銅の電線/ネオジムの永久磁石/ジスプロシウムの耐熱磁石
- 半導体・通信・光:ケイ素の半導体/ガリウムのパワー半導体/ゲルマニウムの光ファイバー/インジウムの透明電極/ネオンの露光用レーザー/エルビウムの光増幅
- 食料・肥料・水:窒素のアンモニア/リンのリン酸肥料/カリウムのカリ肥料/硫黄の硫酸/塩素の水処理
- 建物・乗り物・耐熱材料:鉄の鋼材/アルミニウムの軽量合金/チタンの航空機部材/クロムのステンレス鋼/タングステンの切削工具/レニウムの耐熱合金
- 希土類の分離・精製と国際供給:ランタン/セリウム/ネオジム/サマリウム/テルビウム/ジスプロシウム
- 医療・分析を支える材料:ヘリウムのMRI冷却/テクネチウムの画像診断/ヨウ素の造影剤/ガドリニウムの造影剤/白金の医薬品/ルテチウムの放射性医薬品
- 周期表の先端と発見の競争:ネプツニウム/カリホルニウム/ラザホージウム/ニホニウム/テネシン/オガネソン
性質から用途を読む
元素は、原子核に含まれる陽子の数で区別される原子の種類です。陽子の数を原子番号と呼びます。製品では、元素は単体、化合物、合金、複合材料の形で働きます。使われる形と、その構造が生む性質を結び付けると、材料が選ばれる理由が見えてきます。
| 使われる形 | 具体例 | 性質と用途のつながり |
|---|---|---|
| 単体 | 銅、ヘリウム | 銅の導電性を電線に、液体ヘリウムの低温を超伝導磁石の冷却に生かす。 |
| 化合物 | 酸化インジウムスズ、窒化ガリウム | 組成と結晶構造を利用し、透明電極やパワー半導体をつくる。 |
| 同素体 | 黒鉛、ダイヤモンド | 炭素原子の結合と並び方の違いが、導電性や硬さを変える。 |
| 合金・複合材料 | ステンレス鋼、炭素繊維強化樹脂 | 複数の成分と組織を組み合わせ、耐食性や軽さ・強さを得る。 |
発見の歴史を読む
新しい元素の発見は、観察と証拠の積み重ねです。ヘリウムは太陽光のスペクトルから見つかり、アルミニウムは単体の取得を経て安価な大量生産へ進みました。鉄や銅には古代からの利用史があります。超重元素では、原子核の崩壊を追跡し、新しい原子番号の生成を確かめます。各ページでは、発見、単離、命名、工業化の経緯を紹介します。
資源貿易と地政学を読む
供給網は、採掘、分離・精製、材料加工、製品製造、回収・再利用へと続きます。鉱山を持つ国、精製設備を持つ国、製品をつくる国の役割をたどり、輸送経路や輸出政策が産業に与える影響を考えます。希土類の分離技術、金属の副産物回収、肥料の国際貿易は、このつながりを知る手掛かりです。
研究用の人工元素では、生成施設、研究用同位体の供給、国際共同研究を取り上げます。超重元素のページでは、発見の証拠と、周期表の理解を広げる実験の意義を紹介します。
生産量・埋蔵量・貿易量は、対象年と集計対象をそろえて比較します。各ページに統計の出典と対象年を記載しています。研究段階の用途や理論予測には、その段階を明記しています。
基礎事項を確かめる
元素名・原子番号:IUPACの周期表。発見史、製品、資源統計の出典は各元素のページに記載しています。
