問題#A005 ★★☆☆
正の約数の個数が個で、正の約数の総和がであるような正の整数を求めよ。 ただし正の約数にはとを含めるものとする。
《ポイント》
場合分けが発生するのでやや難しい問題です。約数の個数と総和について条件が与えられているので、これにしたがって絞り込んでいきます。約数については問題#A002も確認しておいてください。
《解答例》
の異なる素因数が個だとすると、正の約数の個数はとなり条件に反する。よっての異なる素因数は個以下である。
そこでの異なる素因数が個だとすると、正の約数の個数は個なのでとなる必要があるが、これはとなり正の約数の総和がであることに反する。
以上より、の異なる素因数は個または個となる。以下、この2つの場合について場合分けして考える。
ここで、正の約数の総和がであり、正の約数にはを含めるからが必要であることに注意しておく。
ⅰ)の異なる素因数が個のとき、約数の個数が個であるからと置ける。ただしは互いに異なる以上の自然数である。
とするととなるが、であるからはを超えてしまう。よってが必要である。
これとより、即ちが必要である。このときとなるが、の約数の総和はなので不適である。
ⅱ)の異なる素因数が個のとき、約数の個数が個であるからと置ける。ただしはいずれも互いに異なる以上の自然数である。いま、はいずれも対等なので一般性を失うことなくと置ける。
とするととなり正の約数の総和がであることに反する。よってが必要である。
これとより、即ちが必要である。ここでとするととなりに反するから、が必要である。
よってよりが必要となるからを得る。の正の約数の個数は個、正の約数の総和はであるから適する。
以上ⅰ)、ⅱ)より、求める正の整数はである。
(答)
《コメント》
ちょっと面倒な問題でしたが、仮定して矛盾を示し候補を絞り込むというのは整数問題の基本です。しっかりマスターしておきたいですね。
なお、素因数が個のときの証明ではという条件を勝手に設定しています。と置いたときに、とやとなどを入れ替えても同じ式になる、つまりについて対称な式なのでと仮定しても問題無いのです。この技を使えば不等関係の議論に持ち込めるので、スムーズに議論できるようになります。
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