問題#A007 ★☆☆☆
隣接する2つの整数は互いに素であることを示せ。また、隣接する2つの奇数は互いに素であることを示せ。
《ポイント》
これも問題#A006に続いて有名な問題です。最大公約数を仮定して証明するのが基本です。
《解答例》
以下$n \in \mathbb{Z}$とする。
$n$と$n+1$の最大公約数を$d$とすると、その差$(n+1)-n=1$も$d$の倍数となる。故に$d=1$となるから$n$と$n+1$は互いに素である。したがって隣接する2つの整数は互いに素であることが示された。
$2n-1$と$2n+1$の最大公約数を$d$とすると、その差$(2n+1)-(2n-1)=2$も$d$の倍数となる。$d$は偶数ではないから$d=1$となる。故に$2n-1$と$2n+1$は互いに素である。したがって隣接する2つの奇数は互いに素であることが示された。
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《コメント》
最大公約数を調べる際に「差を取る」という発想は非常に大切です。例えば$n$と$n+1$の最大公約数が$d \ (>0)$であれば適当な整数$k,l$を用いて$n=dk$、$n+1=dl$と表せます。差を取ると$1=d(l-k)$となるので$d=1$かつ$l-k=1$を得ます。このように「積=定数」の形に持ち込むことで議論を先に進められるようにすることが差を取ることの根拠となります。
その点では和を取っても良いような気がしてきますが、差を取れば文字部分を消去できるので普通は差を取ります。