問題#A011 ★★☆☆
正の整数$n$が完全平方数であることと、正の整数$n$の約数の個数が奇数であることは同値であることを示せ。
《ポイント》
約数の個数を求める式を利用します。素因数を適当に置いた方がスムーズに証明できます。
《解答例》
正の整数$n$が完全平方数ならば、各素因数の指数は偶数であり、$m$個の素因数を持つとすれば$$n=p_1^{2k_1} p_2^{2k_2} p_3^{2k_3} \cdots p_{m}^{2k_{m}} $$(ただし$k_i \ (i=1,2,\cdots)$は正の整数)と表すことができるから約数の個数は$$(2k_1+1)(2k_2+1)(2k_3+1) \cdots (2k_{m}+1)$$となり奇数となる。
逆に、正の整数$n$が$m$個の素因数を持つとして、約数の個数が奇数、つまり$$(2k_1+1)(2k_2+1)(2k_3+1) \cdots (2k_{m}+1)$$(ただし$k_i \ (i=1,2,\cdots)$は正の整数)で与えられるならば、正の整数$n$は$$n=p_1^{2k_1} p_2^{2k_2} p_3^{2k_3} \cdots p_{m}^{2k_{m}} $$と表すことができるから完全平方数となる。
以上により、正の整数$n$が完全平方数であることと、正の整数$n$の約数の個数が奇数であることは同値であることが示された。
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《コメント》
「完全平方数 ⇔ 約数が奇数個」という関係は自明とは言えないので、この事実が必要な場面(あまり無さそうですが)ではちゃんと証明してから使いましょう。