【TeX】記号や文字の上下に文字を足す小ワザ集

TeXで、イコールの上にdefを付けたいとか、矢印の下に説明書きを付け足したい、左肩に文字を乗せたい・・・といったときのTipsです!本稿ではこうした需要に応えるべく、色々な小ワザをご紹介します!


※以下のコマンド・記法はMathJaxのデフォルト設定で利用可能です。LaTeX文書中で利用する際はamsmathパッケージなどを予め導入しておきましょう。

 

 記号の上にテキストを乗せる

(例)\[\Large \overset{\text{def}}{\Longleftrightarrow}\]

\overset{\text{def}}{\Longleftrightarrow}

基本的には \overset コマンドと \underset コマンドで解決可能ですが、矢印の上に乗せるだけなら \xrightarrow や \xleftarrow でも可能です。例えば、\xrightarrow{\Delta} とすれば\[\Large \xrightarrow{\Delta}\]となります。下に付けたいときは [ ] で囲みます。例えば、\xrightarrow[\text{in water}]{\Delta} とすれば\[\Large \xrightarrow[\text{in water}]{\Delta}\]となります。\xrightarrow や \xleftarrow には上下のテキストの長さに合わせて伸び縮みするというメリットもあります。

矢印以外の記号に乗せる場合は \stackrel コマンドを使うこともできます。\stackrel{\rm{def}}{\equiv} とすれば\[\Large \stackrel{\rm{def}}{\equiv}\]となります。

 


 記号の上下にテキストを加える

(例1)\[\Large \overset{\text{text}1}{\underset{\text{text}2}{\Longleftrightarrow}}\]

\overset{\text{text}1}{\underset{\text{text}2}{\Longleftrightarrow}}

 

(例2)\[\large f \left(\sum_{i=1}^{n} \lambda_{i} x_{i}\right) \leq \sum_{i=1}^{n} \lambda_{i} f \left(x_{i}\right)\]

f \left(\sum_{i=1}^{n} \lambda_{i} x_{i}\right) \leq \sum_{i=1}^{n} \lambda_{i} f \left(x_{i}\right)

※インライン表示で下にテキストのあるシグマやリミットを表示する場合は \displaystyle コマンドを使用します。例えば、\displaystyle \lim_{n \to \infty} a_n とすれば $\displaystyle \lim_{n \to \infty} a_n$ と表示できます。

\displaystyle が無いと $\lim_{n \to \infty} a_n$ となります。行間隔が厳密に定められたTeX文書を作成しなければならない場合は \displaystyle を付けないこともあります。

 


 吹き出しを付ける

(例)\[\Large N=\underbrace{222 \cdots \cdots 222}_{n \text{ 個}}\]

N=\underbrace{222 \cdots \cdots 222}_{n \text{ 個}}

\underbrace コマンドは下側に吹き出しを付けます。上側に付けたいときは \overbrace コマンドを使います。例えば、\underbrace{\overbrace{111…111}^{m \text{ 個}}\overbrace{222…222}^{n \text{ 個}}}_{m+n \text{ 桁}} とすれば\[\Large \underbrace{\overbrace{111…111}^{m \text{ 個}}\overbrace{222…222}^{n \text{ 個}}}_{m+n \text{ 桁}}\]となります。

\underbrace のときは _(アンダーバー)を使い、\overbrace のときは ^(キャレット)を使います。

 


 左上・左下に記号を付ける

(例)\[\Large {{}^{t}\!H}^{-1}\]

{{}^{t}\!H}^{-1}

\! で左側の微妙な隙間を埋めるのがポイントです。もしこれが無いと ${{}^{t}H}^{-1}$ となり、やや間の抜けた感じになってしまいます。

この方法は例えば二項係数にも応用できます。

(例)\[\Large {}_{n}\!\mathrm{C}_{k}\]

{}_{n}\!\mathrm{C}_{k}

詰めなければ ${}_{n}\mathrm{C}_{k}$ となりますが微妙な違いなので好みの問題と言えます。あるいは、\sidesetコマンドを使うこともできます。

\sideset{_n}{_k}{\mathrm{C}}

 


左肩にテキストや記号を乗せる機会は少ないですが、こういうテクニックを知っていると、いざという時に便利です。

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