早稲田大学2019年前期(先進理工)数学第3問

最高気温が1ケタ台になっている地域も多く、全国的にかなり冷え込んでいます。積雪を観測した地域も増えてきましたね。

さて、今日で最後のセンター試験まで50日を切りました。2021年度からはセンター試験に代わる「大学入学共通テスト」が実施されますが、しっかりコツコツ勉強していればどんな試験でも対応できるはずです。日々の勉強を大切に!


《問題》

実数xに対し [x]x1<[x]x を満たす整数とする。次の極限を求めよ。

(1)limn1n[1sin1n]

(2)limn1nn(1+[2]+[3]++[n])

(早稲田大学2019年 前期(先進理工)数学第3問)


《考え方》

ガウス記号の絡んだ極限の問題です。「整数」というところで躓く人が多そうですが、与式を直接扱うのが難しそうなときは「はさみうちの原理」が使えないか考えてみましょう。

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解答例

 

(1)

 

ガウス記号の定義から、1sin1n1<[1sin1n]1sin1nが成り立つ。これに1nを掛けると、1nsin1n1n<1n[1sin1n]1nsin1nとなる。ここで右辺についてlimn1nsin1n=1であり、左辺についてlimn(1nsin1n1n)=1となるから、はさみうちの原理より、求める極限値は 1 である。

 

 

(2)

 

ガウス記号の定義より k1<[k]k が成り立つから、k=1n(k1)<k=1n[k]k=1nk k=1nkn<k=1n[k]k=1nkが成り立つ。これに1nnを掛けると、1nk=1nkn1n<1nnk=1n[k]1nk=1nknを得る。ここで、limn1nk=1nkn=01xdx=[23x32]01=23および、limn(1nk=1nkn1n)=23であるから、はさみうちの原理より、求める極限値は 23 である。


(コメント)

類題の経験があれば易しい問題だったと思います。極限値を直接求めるのが難しい場合には「はさみうちの原理」が有効です。また、与式に和が出てくるタイプの極限値には区分求積法が有効です。


 

 

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