【決定版】Web上で物理を学べる優良コンテンツ一覧

近頃の高校生に敬遠されがちな物理科目ですが、そのコンテンツを精力的に作成・発信しているウェブサイトやYouTubeチャンネルは世の中に沢山あります。今回は高校生に限らず、ゼロから物理を学びたい方や、さらに深く物理を学びたい方のために、Web上で入手・アクセスできる優良コンテンツを厳選して一覧にしました!


ここ数年で、誰もがネット上で広く情報を発信できる時代になりました。このような状況は「情報の氾濫/飽和」などとネガティブに捉えられがちです。その一方で、有益なコンテンツをユーザーと結びつけられれば、より深い学びの場を多くの人たちに提供できるのではないかと管理人は考えています。少しでもこのページが情報の「ハブ」として有効活用されれば幸いです。
(2022/08/01更新)

※ここに掲載されていないコンテンツで有用なものをご存じの方は、お問い合わせにてご連絡ください。

※本稿の情報は2022年8月現在の情報であることに注意して下さい。今後もっと便利で広がりのあるコンテンツが出てくるかもしれません。できるだけ管理人もフォローしていきますが、こういう便利なサイトがあるよ!など、情報提供して下さると大変ありがたいです。それから、ここに掲載されていないからといって、それ以外のサイトや動画チャンネルが全部ダメと言っている訳では全くありません。この点について、どうかお含みおき下さい…。

 

 ウェブサイト編

Web上のコンテンツを利用する最大のメリットは、(ネットとスマホがあれば)どこでも&無料で勉強できるという点です。このユビキタス社会の恩恵を享受しない手はありません。

★微積フリーor少なめ

高校物理をあきらめる前に

高校物理をあきらめる前に

ゼロから物理を学ぶことができる、と謳っているだけあり、非常にわかりやすく丁寧に解説されています。このサイトでは完全に微分積分フリーで構成されているので、数学が苦手な人でも比較的フォローしやすいと思います。物理に初めて触れる方や、授業に付いていけず諦めかけている方にはこちらのサイトを参考にして勉強されることを強くオススメします。手遅れになる前に是非ご利用下さい・・・。
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受験の月

言わずと知れた受験特化型サイトですね。このウェブサイトは数学の内容が極めて充実していますが、物理に関してもかなり網羅的でコンパクトにまとめられています。ページごとにコンテンツが濃密に整理されていて、授業で習ったことの確認や復習におすすめです。解説は詳しいのですが、授業っぽいというよりはどちらかと言うと参考書風の解説が多いです。もしかすると人によって向き不向きがあるかもしれません。
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わかりやすい高校物理の部屋

2006年から運営されているウェブサイトで、物理で学ぶ概念の多くがgif形式の動画で図解されているのが特徴です。ビジュアル的に物理を理解したいならこのサイトを覗いてみて損は無いでしょう。
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以上は物理を習いたて・挫折中の方にオススメのサイトでした。


★微積物理・中級者以上向け

に紹介するウェブサイトは大体が微分積分を用いて物理の内容を記述しています。微積物理に耐性のない方にとってはフォローするのが難しく感じられるかもしれませんが、物理の本質を学びたい方には非常にオススメです。

 

高校物理の備忘録

(管理人イチオシのサイトです!)

微分積分を使いながら高校物理を学ぶのであれば、このサイトは外せません。高校物理の知識がこれだけ整然とまとめられているウェブサイトはここぐらいだと思います。このサイトでは物理の説明が数学によって行われるので、皆さんが学校で習っているような物理の授業とは比べ物にならないくらい数学色が濃くなっていると思います。しかし、物理現象の描像は本来であれば数式によって記述されるべきであり、こちらのサイトはそれを体現してくれています。数学に苦手意識の少ない人はこのサイトで勉強されることを強くオススメします。教科書に書かれている物理の内容は雑多に見えますが、この「高校物理の備忘録」を通じて物理の世界のシンプルさが垣間見えるはずです。高校生だけでなく大学生にもオススメできます
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※「備忘録」と名が付いていますが、当サイトとは一切関係がありません。

 

高校生から味わう理論物理入門

高校~大学初年度レベルの物理について解説しているウェブサイトで、力学から原子物理まで物理の内容幅広くカバーしています。物理学について解析的に解説されていて、こちらも数学色の濃い記事が揃っています。サイト開設から1年余りが経過し、大学レベルの内容を中心に記事数がかなり充実してきました。微分積分に基づいて物理を学びたい方(特に大学生)は一読されることをオススメします。

個人的に触ってみた感触ですが、数式が多用されているページでも動作が速く、スマホでもストレスなく閲覧できると思います。高校物理の内容の他に、相対性理論などの大学レベルの物理学の記事が多数まとめられています。因みに、数学分野の有名サイト「高校数学の美しい物語」と同じ新進気鋭の企業が運営に携わっています。最近になって学研HDに事業買収されたようで経営基盤が盤石になりました。今後の展開が楽しみですね。
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物理のかぎしっぽ

ネット上の物理界隈で一番有名なのは「物理のかぎしっぽ」と呼ばれるウェブサイトでしょうか。古くからあるウェブサイトで、現在は複数の管理者(執筆者)によって運営されています。コンテンツの量は豊富ですが所々抜けのある項目があり、教科書のように網羅的というわけではありません。内容を嚙み砕いて説明しているページが多い一方で、ややテクニック重視のページもあり、初学者~中級者程度のレベルの層にオススメです。読み物としてもオススメです。
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EMANの物理学

こちらもかなり有名なウェブサイトです。物理学に関して様々な分野の内容を網羅的に扱っています。熱力学や量子力学などでお世話になった(なっている)方は多いのではないでしょうか? このサイトは、高校生というよりもむしろ大学生や大学院生以上の層に多く利用されている印象があります。全体的に丁寧ですが、やや読み物調なので、好き嫌いが分かれるかもしれません。書籍版も複数出ていますが、ウェブサイトに十分すぎるほどまとまっているので(申し訳ないですが)私はあまり購入する必要性を感じません…。物理学について歴史的な面も含めて体系的に学びたい方にオススメです。
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FNの高校物理

このサイトもかなり古くから存在するサイトですが、現在でも更新が続けられています。微積物理を推進しているので個人的にはとても分かりやすいと感じますが、これも好みが分かれるでしょう。数学がそれなりにできる高校生や大学で物理を勉強している方にオススメです。ページの見た目やUIがやや古めかしい感じのサイトです。
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物理の部屋

2005年から運営されている古いウェブサイトで、「高校物理」などと検索するとヒットします。どちらかと言うと読み物のようなイメージのウェブサイトです。初学者が丁寧にフォローするという感じのウェブサイトではありませんが、要点がコンパクトにまとまっているので時々流し読むと面白いかもしれません。
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 動画編

最近は教育系の動画コンテンツがかなり充実してきています。というより、既に飽和気味です。

管理人個人の考えとしては、動画コンテンツは

    • 自分の好きなペースで自由に学習を進められない
    • 視聴に時間がかかる(一定の時間を拘束される)
    • 必要な情報だけをかき集めるのが難しい
    • チャンネルによっては説明が棒読みで頭に入らない

などの点から、学習をする上であまり良い形態だとは考えていません

物理に限らずどんな科目でも基本的にはテキストベースで勉強を進め、動画はあくまでも補助として用いるべきだと考えています。時間短縮のためにも、動画は1.25倍速以上で再生することを推奨します

※繰り返しになりますが、これは管理人個人の意見です。音声や映像で説明された方が記憶に残るという方には動画を取り入れた勉強スタイルが向いているでしょうし、すべての動画コンテンツが良くないという訳では全くありません。素晴らしい動画も沢山あります。

最近ではYouTubeに個人のものと思われる解説動画が日々大量にアップロードされており、容易にアクセスできる動画コンテンツが増えてきました。音声がないと集中できないという方や、映像授業の方が自習しやすいという方には以下に紹介するチャンネルの動画をオススメします。管理人が独断と偏見で、コンテンツの充実度+分かりやすさを重視して選びました。

 

映像授業 Try IT

独学で物理を学ぶのであれば、基本的にはこの「Try IT」だけでほぼ完結します。それだけ体系的かつ分かりやすくまとめられています。物理以外の科目についても沢山の動画が揃えられており、これだけのコンテンツを無料で発信しているというのは尋常ではありません。このシリーズだけで物理について一通りの勉強を終えることができます。映像で物理を学ぶとしたらこのシリーズの閲覧を推奨します。公式サイト


Try ITの映像授業が肌に合わないなぁと感じる方は以降に挙げるウェブサイトや動画チャンネルも覗いてみてください。

 

NHK高校講座

言わずと知れたNHKの高校講座シリーズの解説動画集です。物理で言うと「物理基礎」の範囲で大量に動画が投稿されています(※「物理」科目の動画が無く、電磁気や波動などの単元は詳しく扱われていないのが難点)。ただ、物理以外にも様々な科目の解説動画がアップロードされていますので、物理だけでなく全般的に独学・自習を進めるのであればこちらのチャンネルを利用するのも良いかと思います。(物理に関して言えば、個人的には授業のテンポ的に「Try IT」の方がおすすめです…)
YouTube

 

以下、YouTubeチャンネルを列挙します。

とある男が授業をしてみた(物理以外)

数年前から動画で情報発信しているチャンネルです。何年も前の動画でもコンスタントに再生数が伸びており、毎年多くの高校生に利用されていることが伺えます。実際、内容はかなり分かりやすくまとめられていますので、授業の補習用に自主的に使っているという学生は多いかもしれません。最近は雑多な動画を上げていらっしゃるようなので物理専用チャンネルというわけでは全くない(むしろ中学数学やー高校数学の動画がメインのようです)ですが、勉強の補助に使える動画はそれなりの本数が揃っていると思います。
YouTube

 

butsurikyoushi

「知識ゼロの状態から理解できるように」というコンセプトの下、分かりやすくまとめられていますので利用しやすいと思います。このチャンネルの動画の特徴は、再生時間が項目ごとに5分以内に収められているという点です。内容がコンパクトにまとめられていることで、だらだら勉強してしまう時間を減らせるように設計されています。一つ難点を挙げるとすれば、動画の題名が全て番号になっているのでどの単元を扱っているのかが分かりにくいという点でしょうか。チャンネルと連動する形で「大学入試攻略の部屋」というホームページも運営されているようです。ブログYouTube

 

まことの高校物理教室

演習形式で問題の考え方や公式の使い方を詳しく解説していくスタイルです。考え方の手順を丁寧に解説しているので、物理が苦手という方にもオススメできます。各動画にオススメ再生リストが載っているので他の動画にアクセスしやすくなっているのも地味に便利。教科書レベルのフォローが難しい人は閲覧をオススメします。最近はブログにも力を入れて情報発信されているようです。ブログYouTube

 

秘伝の物理講義

物理基礎など高校物理の基本レベルの内容を扱っているチャンネルです。各動画はチャンネル運営者である青山先生の参考書「秘伝の物理シリーズ」の解説になっています。

本書を手元に置き、分からなかった問題に遭遇した時にこのYouTubeチャンネルの動画を見る、というのが本チャンネルの理想的な使い方です。基本的には分からなかった問題の動画だけを閲覧すれば良いと思いますが、どの動画も非常に丁寧に解説されているので、教科書の内容をしっかり理解したいという人には非常にオススメです。個人的には動画再生時の再生速度は1.25倍速以上を推奨。YouTube

 

CSS高校物理 in 八丈島

「ハイレベル高校物理シリーズ」として多数の動画を投稿されているようです。教科書の基本レベルの内容に関する動画も沢山アップされています。「The 映像授業」という感じなので、向き不向きはあるかもしれません。YouTube

 

Nagira Academy

物理現象を丁寧に解説しているアカウントです。物理の内容をビジュアル的に学べる良い動画が揃っています。物理だけではなく化学基礎についても大量に動画を投稿されています。再生速度は1.25倍以上がオススメ。YouTube

 

啓林館の夏期Web講習

理科基礎科目の解説動画を多数上げています。啓林館の参考書である「センサー物理基礎」の解説動画になっていますので、この参考書を持っていない人や独学の方には使いにくいと感じる人もいるかもしれません。YouTube

 

予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」

その他に有名どころで言うと、予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」(通称:ヨビノリ)も紹介しておくべきでしょう。ただし、こちらのチャンネルは高校物理というよりは大学の物理を相手にしていますので、数学がすごく苦手という方にはもしかしたら向いていないかもしれません。物理学に微分積分が不可欠な理由は「【大学物理】力学入門③(運動方程式)【力学】」という動画にまとまっていますので、一見しておくと力学という学問の広がりについて理解が深まると思います(理系学徒を標榜するなら必見です)。

ヨビノリの動画はどちらかと言うと大学教養レベルに寄っていますが、他にも色々な動画をあげられていますので発展的なレベルで体系的に独学したいという人や、大学生~大学院生にとてもオススメです。むしろ理系学問にあまり興味が無いという人にもオススメのチャンネルです。YouTube

 

ポータルサイト「studytube」

スタディチューブ」のような教育系ユーチューバーのポータルサイトから、お気に入りの先生を探してみても良いかもしれません。勉強に役立つYouTube動画コンテンツを集約して分類することで効率よくお届けする、というコンセプトで運用されています。全体としては小学校の内容から高校の内容まで幅広くカバーしており、4万本を超えるYouTube動画を科目・単元ごとにまとめてくれています。この規模感は「流石」の一言。

 

ポータルサイト「okedou」

okedou」はYouTube動画のまとめサイトとして利用できる便利なポータルサイトです。okedouでは各動画一つ一つが教科書の基本レベルから難関大レベルまでの5段階に分類されデータベース化されています。様々な単元の動画をキーワード別・レベル別に探し出すことができるので、欲しい動画にストレスなくアクセスすることができます。物理以外の科目の動画にも対応しているので学習効率を上げたい方にはオススメのサイトです。

 

 優良コンテンツ番外編

何も日本語だけで物理を学ばなければならない訳ではありません。2013年から「ファインマン物理学」という物理学におけるバイブルとも言える教科書がネット上に公開されており、カルテク(カリフォルニア工科大学) のウェブサイトで閲覧することができます。ただし、当然ながら全て英語で書かれているので、閲覧するときはちょっと覚悟した方がいいかもしれません…(笑)。大学生学部1・2年生向けです。あるいは、高校時代にファインマン物理学を読破したと言えばそれなりに尊敬される…かも?

また、MITのOCW(オープンコースウェア)など、充実したコンテンツも配布されています。英語に対して抵抗が無い人にはこちらもオススメです。内容ごとに講義動画がアップロードされており、セリフを書き起こした原稿(transcript)もPDFでダウンロードできるので、英語の勉強にもなって一石二鳥かもしれません。

その他、海外の著名な大学の無料公開されている講義をまとめた「openculture.com」というウェブサイトもありますので、意欲のある方は利用してみると良いと思います(物理は”Physics”の欄から選べます)。

 

 管理人の所感

物理という科目によらず、多くの人(物理が得意なのか得意でないのか分からないような人も含めて)が情報の発信側に参入してきていることによって、近頃は(言い方は悪いですが)あまり洗練されていない発信も若干増えてきているのかなと感じます。しかし世の中なんてそんなものです。そうした無数の発信者が日常的に大量の情報発信を行っている中で、どういう情報がより洗練されていて、ためになるのか、学習効率が良いのか、ということを誰かがをしっかりチェックしていく必要があるのではないかと思います。誰がチェックするのかという問題はさておき…。

学校で日々授業を受けている皆さんは何よりも学校の授業を大切にして欲しいですし、そうすべきだと思います。しかし一方で、大学受験に必要な能力というのはいわゆる「普通の授業」だけでは身に付きにくいのも確かです。学校のレベルにもよるでしょうが、本当に実力を伸ばしたいなら独学しかありません(予備校に通って受験のプロに師事しても良いのですが、それなりにお金が掛かります)。

独学の最大のメリットは、完全に自分のペースで勉強を進められる点です。周りの学生のレベルに合わせる必要は全くありません。学校では勉強の仕方そのものを学んでいるのだと割り切って、どんどん独学しましょう。そういう時に味方になってくれるのがインターネット上に転がっている様々なコンテンツだと思います。当サイトもそのような方々のためにせっせと解説を作っているウェブサイトの一つです。

もちろん書店に並んでいる参考書も大いに役立つでしょう。しかし大量の参考書が置いてあるような大型の書店があるのは都市部に限られており、住んでいる地域によってはそうした書籍にアクセスできない人も多くいます。また、色々な事情から学校に通えていない人達も少なくありません。

そういう意味で、日本全国どこからでもアクセスできるネット空間に落ちているコンテンツは、インターネットさえ使えれば誰にでもアクセスできる便利で身近な情報源だと言えます。それに、最近はウェブサイトやYouTubeなどで情報発信を行う人が急激に増えてきています。それを使わない手はありませんよね。何と言っても無料ですし。

当サイトでも、物理に関する情報発信を少しずつ行っていこうかなと以前から考えています…が、残念ながらその野望はあまり捗っておりません(笑)。・・・というわけで(?)、今回は既に世の中に転がっている優良&無償提供のコンテンツを色々と紹介してきました。既にこれだけ多くの先駆者がいるのを見ると、私が新たに何か作るというのも烏滸がましい気がしてきますね…(^_^;)。

それから、ICT教育が持て囃されている現代においては、Web上のコンテンツというのは学校の授業と対立するようなものではなく、寧ろ親和し、協調していくべきものだと思います。2020年以降は新型コロナウイルスの蔓延もあり、ICTを活用する流れがいよいよ決定的なものになりました。情報の発信者だけでなく受信者側(学生だけでなく先生も含めて)にも、これは時代の要請だと思って、使えるものはとことん使い倒すという姿勢で真に自分の身になる勉強・指導スタイルを身に付けていくことが望まれています。

 

 物理に微分積分は必要か?

これも高校物理の業界ではよく俎上に乗る話題ですね・・・。

管理人はと言うと、物理とは微分積分を用いて現象を説明していく学問なので、微積と切り離して物理を学ぶことに違和感を感じます。もちろん、微積を使わないことによって、数学が苦手な人でも物理が理解しやすくなったり、とっつきやすくなったりするというメリットはあるでしょう。ただ、本当の物理の姿は公式の暗記などではなく、例えば力学だと「運動方程式から微分積分を使って公式を導く」というスタイルで勉強を進めるべきだと個人的には考えていますし、電磁気学に至っては解析学のオンパレードです。大学で少しでも物理を学んだ経験があれば(普通は)解析学を使って物理学を学ぶべきだ、という意識になるはずです。

正直、高校生の段階では、物理を微分積分と縁のない学問として勉強していっても実用上はそれほど問題無いのですが、物理学(特に力学)という学問の成立自体が微分積分と密接に関係しているので、微分積分と切り離して物理を学ぶというのはどう考えても不合理です。どちらの方針で物理を勉強するにせよ、少なくとも理系を専攻するのであれば、物理学は微分積分などの解析学の知識の上に成り立っている学問なのだという意識を持って学んで欲しいと思います。