同じではありません。日本の料理用1カップは一般に200 mLですが、米国の慣用カップは約236.6 mL、メートル法のカップは250 mLが代表的です。米国でも栄養表示では240 mLと定められています。海外のレシピは、国名だけでなく、その本やサイトが採用する計量ルールを確認します。
カップという名前の中に複数の基準がある
| 体系・用途 | 1カップ | 大さじ・小さじの代表値 |
|---|---|---|
| 日本の一般的な料理用 | 200 mL | 大さじ15 mL、小さじ5 mL |
| 日本の米1合用カップ | 約180 mL | 料理用1カップと取り違えない |
| 米国の慣用単位 | 約236.588 mL | 大さじ約14.787 mL、小さじ約4.929 mL |
| 米国の栄養表示用 | 240 mL | 大さじ15 mL、小さじ5 mL |
| 豪州の標準的な料理用 | 250 mL | 大さじ20 mL、小さじ5 mL |
米国の慣用カップは8米液量オンスです。一方、FDAが栄養表示のために使う1カップ240 mLは、表示上の定義です。約236.6と240は、単にどちらかが間違いなのではなく、文脈が違います。料理本では扱いやすい値へ丸めたり、独自にメートル法の基準を明示したりする場合もあります。
250 mLのカップは豪州以外のレシピでも用いられます。英語で書かれているから米国式、ウェブサイトの国が豪州だから必ず20 mLの大さじ、とは限りません。著者が国際読者に合わせた値を採用することもあるため、冒頭の計量表やrecipe notesが最も直接的な手掛かりになります。
豪州の大さじは、見落としやすい差
日本の大さじ1は小さじ3杯分ですが、豪州の20 mL大さじなら5 mLの小さじ4杯分です。豪州の料理資料で大さじ2とある場合、その基準なら40 mL。日本の15 mL大さじ2杯では30 mLとなり、必要量より25%少なくなります。
同じカップを使って材料を全部量れば解決するとも限りません。レシピには卵の個数、粉のカップ数、油の大さじ数、牛乳のmLが混在します。一部だけ別の体系で量ると、材料の比率が変わります。特に製菓では、全体量だけでなく水分や膨張剤の比率が仕上がりに響きます。
換算は、いったんmLに直す
たとえば1カップ250 mLと明記されたレシピの1と1/2カップは、$250\times1.5=375$ mLです。日本の200 mLカップで一杯半を量ると300 mLなので、75 mL不足します。元の体系を確認してからmLへ直せば、この混乱を避けられます。
米国慣用単位の1/2カップなら約118.3 mLです。レシピが1カップ240 mLと定めていれば120 mL、250 mLなら125 mLになります。小数点以下の桁数を増やすより、まずどの基準かを確定する方が大切です。家庭の計量器の目盛りに合う丸め方も、その後に考えます。
1カップの粉は、1カップの水と同じ重さではない
カップは体積、グラムは質量の単位です。水でおよそ200 mLが200 gになる感覚を、小麦粉、砂糖、油へそのまま当てはめることはできません。粉では粒同士の隙間も体積に含まれ、すくい方や押し固め方で一杯の重さが変わります。
ふるってから量るか、量ってからふるうか、山盛りかすり切りか、packedと指定されているか、といった手順も大事です。著者がグラム併記をしている場合は、そのレシピの値と手順を優先します。別サイトの「粉1カップ」の重さを持ち込むと、カップ容量と詰め方の両方が違う場合があります。
食卓のスプーンやマグカップも、計量器とは限りません。正確な量が必要なら、容量が表示された道具やはかりを使います。薬の計量に料理用の換算表を流用することも避けてください。
海外レシピを読む順番は、採用するカップ容量を確認し、大さじも別に確認し、体積と重さを区別することです。卵のM・Lにも国や用途による違いがあるので、卵のサイズ表示と合わせて考えると計量のずれを減らせます。
参考資料
- キッコーマン「計量の道具」
- NASA「Metric conversion factors・Volume」
- FDA「Metric Equivalents of Household Measures」
- 豪州退役軍人省「Adding Life to Your Years・Conversion Tables」
- Annabel Langbein「Conversions」
資料確認日:2026年10月2日
