「日の出」は太陽がどこまで出た瞬間?

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国立天文台の暦でいう日の出は、太陽の上の縁が地平線または水平線に一致する瞬間です。太陽が全部出たときでも、中心が出たときでもありません。日の入りも上の縁を基準にするため、こちらは太陽が沈み切って見えなくなる瞬間です。

同じ「上の縁」でも、出入りで見え方は違う

朝、太陽の円盤は下から上へ地平線を横切ります。最初に上の縁が現れ、その後に中心、下の縁が出てきます。夕方はその逆で、下の縁が先に隠れ、上の縁が最後まで残ります。したがって、上辺を共通の基準にすると、日の出から日の入りまでの間は、太陽の少なくとも一部分が地平線の上にある時間になります。

太陽の円盤と日の出・日の入り
状態 暦での扱い
朝、上の縁が地平線に達する 日の出
朝、円盤の中心が地平線に達する 日の出の後
朝、下の縁まで地平線から出る 太陽全体が出た状態
夕方、上の縁が地平線に達する 日の入り

太陽が全部見えるまでの時間は、いつでも同じではありません。太陽の通り道が地平線に対してどの角度で交わるかによって変わり、緯度や季節も影響します。「日の出から何分で全部出る」という数字を、どこでも使える定数として覚えるのは適切ではありません。

大気によって、太陽は少し浮き上がって見える

太陽の光は地球の大気を通るときに曲がります。この大気差によって、地平線近くの太陽は、空気がなかった場合の幾何学的な位置より高く見えます。暦の日の出・日の入りの計算には、この標準的な効果も含まれています。太陽の実際の中心が幾何学的な地平線より下にあっても、上の縁が見えることがあるのです。

国立天文台が出入りの計算に用いる地平大気差は35分8秒角です。この「分」「秒」は時間ではなく、角度の単位です。現実の大気差は気温や気圧などでも変化するため、実際に見える瞬間が標準条件による計算と完全に一致するとは限りません。陽炎のように像が揺れたり、上下にゆがんだりすることもあります。

暦の時刻と、自宅で見える時刻が違う理由

暦の時刻は、その地点の緯度・経度と、地平線の条件などを定めて計算したものです。自宅の窓から見える山の稜線や向かいの建物の屋根を、すべて自動的に計算に入れているわけではありません。東の山が高ければ、暦の日の出より後に初めて太陽が見えることがあります。

一方、海を見下ろす高い場所では、水平線が低く見え、平地より早く日の出を見られることがあります。観測場所の高さ、周囲の地形、雲の有無を区別すると、「暦では昇っているのに見えない」という疑問を整理できます。実際に太陽を見つけた時刻と、暦の定義による時刻は、いつも同じ量ではないのです。

日の出前に明るいのは「薄明」

太陽の円盤が地平線の下にある間も、上空の大気には光が当たり、それが散乱して空を明るくします。日の出前や日の入り後のこの時間帯を薄明と呼びます。日の入りの瞬間に照明を消したように空が真っ暗になるわけではありません。

薄明は太陽の中心の高度によって市民薄明、航海薄明、天文薄明などに分けられます。その長さは緯度と季節で変わるので、「日の入りから30分は必ず十分に明るい」と安全の基準にすることはできません。雲や地形、周囲の照明でも明るさの印象は変わります。

春分・秋分の昼が、厳密に12時間ではないわけ

春分や秋分には、昼と夜が同じ長さと説明されることがあります。しかし、日の出・日の入りを上辺で決めることと、大気差があることによって、通常の地点では昼が12時間より少し長くなります。太陽の中心が幾何学的な地平線を横切る時間だけを考えた説明と、実際の暦の定義を区別するのがポイントです。なお、太陽の観察では直接凝視せず、双眼鏡や望遠鏡を不用意に向けないでください。

参考資料

資料確認日:2026年10月2日

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