前回に続き、先月末の「常温常圧で超伝導現象を示す物質『LK-99』の合成に成功した」というニュースに関する続報をまとめる。騒動の発端となった原著論文が投稿されてから本日でちょうど1ヶ月が経過し、複数の研究チームによる再現実験のデータが集まってきた。本稿では主な追試結果について簡単に紹介する。
LK-99は本当に常温常圧超伝導を達成しているのか
先月末、「常温常圧で超伝導を示す物質が作成できた」というニュースが飛び込んできた。合成の成功を主張しているのは韓国の高麗大学の研究チームである。超伝導転移温度は歴代最高温度を大幅に塗り替える127℃と報告されており、これが常圧(大気圧)下で超伝導性を発現するとのことである。現在様々な追試が世界中で進められており、ネット世界をリアルタイムで大いに騒がせている。
本稿では、現時点におけるこの周辺の状況について情報を整理したい。
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