LK-99の追試結果と一連の騒動に関する雑記

前回に続き、先月末の「常温常圧で超伝導現象を示す物質『LK-99』の合成に成功した」というニュースに関する続報をまとめる。騒動の発端となった原著論文が投稿されてから本日でちょうど1ヶ月が経過し、複数の研究チームによる再現実験のデータが集まってきた。本稿では主な追試結果について簡単に紹介する。

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LK-99は本当に常温常圧超伝導を達成しているのか

先月末、「常温常圧で超伝導を示す物質が作成できた」というニュースが飛び込んできた。合成の成功を主張しているのは韓国の高麗大学の研究チームである。超伝導転移温度は歴代最高温度を大幅に塗り替える127℃と報告されており、これが常圧(大気圧)下で超伝導性を発現するとのことである。現在様々な追試が世界中で進められており、ネット世界をリアルタイムで大いに騒がせている。

本稿では、現時点におけるこの周辺の状況について情報を整理したい。

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【最適化問題の基礎】ニュートン法で停留点を探す(鞍点と固有値の関係)

前回解説したニュートン法」を用いて曲面上における停留点を探索してみます。今回はその一つである「鞍点」について詳しく考察してみます。化学寄りの話題も含みます。

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【最適化問題の基礎】ニュートン法とヘッセ行列

前回は最も単純な連続最適化の手法の一つである「最急降下法」について解説しました。続いて、本稿では目的関数の勾配の勾配(2次微分)「ヘッセ行列」の情報を使って最適化する「ニュートン法」について解説します。

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【最適化問題の基礎】数理最適化とは何か

ここ数年~十数年のデータ科学の飛躍的な発展により、AIや機械学習が社会で広く認知され、利用されるようになりました。それに伴い、数理最適化の知識とそれを使いこなせる人材がこれまでになく求められる時代となっています。そこで管理人自身の知識整理も兼ねて【最適化問題の基礎】というシリーズで最適化手法についてまとめてみます。

今回は、最適化問題を解くために用いられる数理最適化とはそもそも一体何なのかについて解説していきます。

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