問題#A014 ★★★☆
ある$4$桁の整数$\overline{abcd}$は上$2$桁の数$\overline{ab}$と下$2$桁の数$\overline{cd}$の和の2乗に等しい。つまり、等式$$\overline{abcd}=\left( \overline{ab}+\overline{cd} \right)^2$$が成立する。このような整数$abcd$をすべて求めよ。
《ポイント》
問題#A013の類題です。こちらも取っ掛かりが掴めなさそうなら10進法表示に直してしまうと良いでしょう。方程式を展開すると異なる変数の積の項が出てくるので因数分解が妥当でしょう。
《解答例》
$\overline{ab}=x$、$\overline{cd}=y$と置くと、$(x+y)^2 < 10000$より、$x+y \leqq 99$である。このとき与等式は$$100x+y=(x+y)^2$$ $$\therefore 99x+(x+y)=(x+y)^2$$ $$\therefore 99x=\{(x+y)-1\}(x+y)$$となる。$(x+y)-1$、$x+y$は隣接する2整数であるからともに$3$の倍数となることはなく、同様にともに$11$の倍数となることはないから、次の3通りの場合が考えられる。
ⅰ)$x+y-1$が$9$の倍数 かつ $x+y$が$11$の倍数のとき
$x+y$の候補は$11$、$22$、$33$、$44$、$55$、$66$、$77$、$88$、$99$となるが、このうち$x+y-1$が$9$の倍数になるものは$x+y=55$のときに限る。$55^2=3025$であり、$30+25=55$となるので適する。
ⅱ)$x+y-1$が$11$の倍数 かつ $x+y$が$9$の倍数のとき
$x+y-1$の候補は$11$、$22$、$33$、$44$、$55$、$66$、$77$、$88$、$99$となるが、このうち$x+y$が$9$の倍数になるものは$x+y-1=44$のときに限る。$45^2=2025$であり、$20+25=45$となるので適する。
ⅲ)$x+y-1$ または $x+y$ のいずれか一方が$99$の倍数であるとき
$x+y-1 \leqq 98$より、$x+y=99$に限る。$99^2=9801$であり、$98+1=99$となるので適する。
以上より、題意の条件を満たす整数は$2025$、$3025$、$9801$の3つである。
(答)$2025$、$3025$、$9801$
《コメント》
$x+y-1$ と $x+y$ という隣接する2つの整数で絞り込みました。こんな上手い解答は試験場で書けないよ!という人は2次方程式の解の公式から絞り込みを掛けましょう。
なお、物好きな人なら大昔の群馬大で本問が出題されていることをご存知かもしれません・・・。最近では2014年の近畿大学附属高等学校(!)の入試に穴埋め式の出題があります。