問題#A016

問題#A016 ★★☆☆

正の整数の2乗となる数を平方数という。

(1)$\overline{aabb}$と表される$4$桁の平方数をすべて求めよ。

(2)$\overline{cccddd}$と表される$6$桁の平方数は存在しないことを示せ。


《ポイント》

(1)はある約数に注目するだけです。(2)もある約数に注目すればよいのですが・・・?


《解答例》

(1)

$\overline{aabb}=M$と置く。

$$\begin{align} M &=1000a+100a+10b+b \\
&=11(100a+b)\end{align}$$

より、$M$は$11$の倍数となるから、$M$が平方数ならば$100a+b$も$11$の倍数でなければならない。$100a+b=11 \cdot 9a+(a+b)$より、$a+b$が$11$の倍数でなければならないから、$1 \leqq a \leqq 9$、$0 \leqq b \leqq 9$より、$$a+b=11$$が必要となる。これより$b$を消去して、$$M=11^2 (9a+1)$$を得る。$1 \leqq a \leqq 9$を満たす整数$a$のうち、$9a+1$が平方数になるようなものは$a=7$のみである。よって$M=7744 \ (=88^2)$を得る。

(答)$7744$

 

(2)

$\overline{cccddd}=N$と置く。

$\begin{align} N &=111c \cdot 1000+111d \\
&=3 \cdot 37(1000c+d)\end{align}$

より、$N$は$37$の倍数となるから、$N$が平方数ならば$1000c+d$も$37$の倍数でなければならない。ここで、

$$\begin{align} 1000c+d &=999c+(c+d) \\ &=37 \cdot 27c+(c+d)\end{align}$$

であるから$c+d$が$37$の倍数でなければならないが、$1 \leqq c \leqq 9$、$0 \leqq d \leqq 9$より、そのような$c、d$の組は存在しない。

故に$N$は素因数$37$を1個のみ含むから平方数でない。したがって$\overline{cccddd}$と表される$6$桁の平方数は存在しない。

 


《コメント》

素因数に着目出来れば「平方数」という条件から解を絞り込めます。一応、(1)は(2)のヒントになっています。

5問も続いた4桁シリーズですが、しつこい!と苦情が来そうなので、ここで一端終了させて頂きます(笑)。


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