創作整数問題#22解法&創作整数問題#23


もう8月も終わってしまいますね。今年の日本列島は例年に比べて涼しいのでしょうか?あまり猛暑日のニュースを聞かないような気がします。台風のシーズンにまた暑くなるのかもしれませんね。

今回で創作整数問題は$23$問目です。
因みに$23$という数は「$2$つの連続する素数を連結してできる最小の素数」ですね。さらに、最初の$23$個の素数の和は$874$ですが、これは$23$で割り切れます。実は「最初の$p$個の素数の和を割り切る素数$p$」のうち最も小さいものが$23$なのです。(・・・どうでもいい?)


《問題#23》

既約分数$F$は分子と分母の和が$1000$であり、小数に直して小数第$3$位を四捨五入すると$0.35$になるという。このような$F$をすべて求めよ。

(創作問題)


互除法の考え方を利用すればラクに求められます。

 

 

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答えは $\color{red}{F=\dfrac{257}{743}、\dfrac{259}{741}、\dfrac{261}{739}}$ です。

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創作整数問題#22(解き方)


等式 $3^x+9^y=12^z$ を満たす正の整数$x$、$y$、$z$の組をすべて求めよ。

こういった変数の多い問題では「変数を減らす」ことを考えましょう。変数を減らすと言っても勝手に問題を書き換える訳ではなく、「条件を設定して変数の自由度を下げる」ということを意味しています。特別な場合について方程式を調べることで、ヒントが無いか探すという方針を取ってみましょう。

まずとっても簡単な場合から考えましょう。$z=1$ のときを考えます。

$x=y$ の場合を考えてみます。このとき方程式は$$3^x+9^x=12$$となります。左辺は単調に増加するので $x=1$ をただ一つの解に持ちます。

では $x=y$ という条件を外してみましょう。このとき方程式は$$3^x+9^y=12$$となります。$x$も$y$も正なので両辺を$3$で割ることができて、$$3^{x-1}+3 \cdot 9^{y-1}=4$$と変形できます。ここで$y$が$2$以上だと右辺を超えてしまいますから、$y=1$ は確定です。これより$$3^{x-1}=1$$となるので $x=1$ と求められます。

$z=1$ のときは $x=y=1$ 以外に解が無いので、次に $z \geqq 2$ の場合を調べます。このとき方程式は$$3^x+9^y=12^z$$ですね。ここで$\bmod$の考えを利用します。$z \geqq 2$ のとき、右辺は$16$の倍数なので左辺も$16$で割り切れる必要があります。

$3$の冪乗について$16$を法としたときの余りを調べると$$1、3、9、11、1、3、\cdots$$と周期$4$で循環することが分かります。$1、3、9、11$からどんな$2$個の数を選んでも和が$16$で割り切れることはないので、左辺は決して$16$の倍数にならないことが分かります。これは不合理ですから、$z \geqq 2$ のときは与方程式を満たすような正の整数$x$、$y$、$z$の組は存在しません。

以上より、求める正の整数$x$、$y$、$z$の組は$$\color{red}{x=y=z=1}$$となります。


(コメント)

左辺が$3$の冪なのに対して右辺は合成数の冪(正確には$9$も合成数ですが…)なので、せめて$\bmod 4$ での処理は思い付けるのではないでしょうか。試行錯誤しているうちに$\bmod 4$ では条件が緩いことに気付くことができれば、$16$もしくは$8$を法とした合同式を利用すれば良いと考えることができるはずです。上記の解答例では$\bmod 16$ で処理していますが$\bmod 8$ でもOKです。寧ろ$\bmod 8$ だと周期が$2$になるのでその方がスマートかもしれませんね。

冒頭で触れた「条件を設定して変数の自由度を下げる」という手法は多変数のディオファントス方程式を解く際に役立ちます。本問ではあまり役立っている感じがしませんが、試しに $z=2$ のときを考えれば若干のヒントになるのではないでしょうか。

 

2 Replies to “創作整数問題#22解法&創作整数問題#23”

  1. 分数などについて,表現が面倒なので,\TeXの書き方で書いてみます.
    読みにくかったらすみません.

    [#23について]
    私にはほとんど互除法には見えないのですが,
    $\gcd(a,b)=\gcd(a,a+b)$ を広く捉えて互除法と言っているのでしょうか.
    連分数展開も一応考えられますが,ちょっとめんどうかもしれません.

    私の解法は以下のようです.

    分母を $k$ とする.分子は $1000-k$ であり,$F=\frac{1000-k}{k}.$
    $0.345 \leqq F < 0.355$ から,$0.345k \leqq 1000-k < 0.355k$ となって,
    $\frac{200000}{269} \leqq k < \frac{200000}{271}.$
    整数 $k$ としては,$739 \leqq k \leqq 743$ となる.

    $\frac{1000-k}{k}=\frac{1000}{k}-1$ が既約分数となる条件は,
    $\frac{1000}{k}$ が既約分数であること,すなわち,
    $k$ が $2,5$ を素因数にもたないことであるから,
    $k=739,741,743.$
    したがって,求めるものは,
    $F=\frac{261}{739},\frac{259}{741},\frac{257}{743}.$

    [#22について]
    $\bmod 8$ や $\bmod 16$ は思いつきませんでした.うまい解法ですね.

    私の解は回り道であることを思い知らされたところですが,
    一応提示させていただきます.

    $12^z=3^z\cdot 4^z$ であり,これが $3^x+9^y$ と等しく,
    2つの「3の自然数乗」の和となることから,$4^z-1$ は $3$ の非負整数乗となる.
    ここで,$4^z-1=3(1+4+4^2+\cdots+4^{z-1})$ であり,
    この括弧内に注目する.(これが $3$ の非負整数乗である.)

    $z=1$ のときは,括弧内は $1$ であり,$3$ の非負整数乗となる.
    このとき,$3^x+9^y=12$ であり,解は明らかに $x=y=1.$

    $z\geqq2$ のときは,括弧内は $4$ 以上であるから $3$ の倍数となる必要があり,
    このとき $z$ は $3$ の倍数となるが,
    すると,括弧内は $1+4+4^2=21$ で割り切れ,素因数 $7$ を持つので不適.

    以上より,方程式の解は,$x=y=z=1.$

  2. たけちゃん 様
    コメントありがとうございます。

    「互除法」というのは別に割り算や引き算をちまちまやることを指してはおりませんでした。次回の解説でも触れますが(というかほぼ答え?)分母$k$をお借りすると $F=\dfrac{1000-k}{k}$ が既約分数になるためには $1000-k$ と $k$ が互いに素であればよいので、結局は $1000$ と $k$ が互いに素となる(つまり $k$ が $2$ 及び $5$ を素因数にもたない)ような$F$を求めれば良いことになります。この理屈を指して「互除法」(?)と表現していました。(実際に「ユークリッドの互除法」によってちまちま計算しても大した労力ではありませんが・・・)

    #22の$\bmod$による解答は、模範解答としてはあまりお目にかからないかもしれません。たけちゃんさんの別解は堅実な解法ですね。高校生にとっても因数分解などの式変形を利用する方法の方が思いつきやすいかもしれません。別解のご提示に感謝致します。

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