TeXで転置行列を美しく出力する方法

TeXの左肩上付き記号に関する短いメモです。転置記号を出力する方法をまとめています。

 


Matrix transpose.gif図.転置行列の概念図
(Wikipediaの「転置行列」の頁から転載)

転置行列を表示したいときは、例えば

^t\!A

と書きます。「\!」を挟んでいるのは微妙な隙間を埋めるためです。出力は以下のようになります。tA「\!」を書かないと tA となり、tAの間に微妙な隙間ができてしまいます。「^」の前に中カッコをもってきて「{}^t\!A」と書く流儀もありますが実用上は有っても無くても構いません。

あるいは、

A^\top

と書きます。出力はAとなります。多くのテキストではこの表記法が採用されています。強いて言えば、これだと行列の冪乗が書きにくいという欠点があります。因みに直交補空間を表す場合は V( V^\bot )と書きます。

その他には、Atrと書く流儀もあります。”tr” というのは “transposed matrix” に由来します。また、A という表記も時々見られます。

個人的には、A(\intercal)よりも A(\top)の方が綺麗な見た目になっている気がします。ATのようにイタリック体で簡単に表示される場合もありますが論文などではあまり見かけません。行列の文字を太字にするか否かは好みでしょう。


「\!」で隙間を縮めるというテクニックは二項係数の表示でも使われます。特に何もしないとnCkという表示になりますが、縮めるとnCkとなります。これもどちらを選ぶかは好みですが。

 

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