高校化学から大学初年級/内容確認:2026年10月14日
CH₄は正四面体、NH₃は三角錐、H₂Oは折れ線形です。原子の数だけでは形を決められません。中心原子の周りに、結合と孤立電子対がどう配置されるかを調べます。
結合の線だけでなく、電子対の領域を数える
VSEPRは、中心原子の周りの電子対の反発を手掛かりに、分子の形を見積もる模型です。まず結合している原子の方向と、孤立電子対の領域を数えます。二重結合や三重結合も、方向を数える段階では一つの領域として扱います。
| 領域の数 | 基本配置 | 例 |
|---|---|---|
| 2 | 直線形、180° | CO₂の炭素 |
| 3 | 平面三角形、約120° | BF₃のホウ素 |
| 4 | 正四面体形、約109.5° | CH₄の炭素 |
NH₃とH₂Oも、電子対の領域は四つです。NH₃では一つ、H₂Oでは二つが孤立電子対なので、原子の位置だけを結ぶと三角錐形・折れ線形になります。孤立電子対の影響により、結合角は理想的な正四面体の角度より小さくなります。
代表的な気相分子の角度です。VSEPRは形の見積もりに向き、角度の精密な計算そのものではありません。
混成軌道は、結合方向を表す道具
s軌道とp軌道を組み合わせ、結合の向きに合った関数を作るのが混成です。sp³は四つ、sp²は三つ、spは二つの混成軌道を作ります。sp²には未混成のp軌道が一つ、spには二つ残り、π結合の説明に使えます。(OpenStax:1.6 sp³混成軌道)
エチレンの各炭素では、三つのσ結合を平面上に置き、平面に垂直なp軌道どうしでπ結合を説明します。二重結合の片側をひねるとp軌道の重なりが小さくなるため、単結合のようには自由に回転できません。
混成は、原子が結合前に実際に行う準備運動ではありません。同じ電子状態を目的に合う関数で表す操作です。水の二つの孤立電子対を、あらゆる測定で完全に等価とみなせるわけでもありません。
実際の形は、全体のエネルギーで決まる
原子核どうし、電子どうしの反発だけでなく、電子と原子核の引力や電子の運動に関わるエネルギーも含めて、安定な配置が決まります。VSEPRで見当を付け、必要なら分光測定や量子化学計算と比べる。この順序なら、模型を便利に使いながら、その役割も見失わずに済みます。
考えてみよう:CO₂の炭素の周りには二重結合が2本。領域は4個?
方向を数えるVSEPRの段階では2領域です。したがって基本配置は直線形になります。
考えてみよう:sp²炭素の周りで、σ結合とπ結合はどう配置される?
三方向のσ結合がほぼ同じ平面にあり、残ったp軌道がその平面に垂直に伸びます。隣のp軌道と横向きに重なってπ結合を作ります。
