2つの初期条件を使い、特性根の重なりや非実数の場合まで整理します。
1.なぜ特性方程式を考えるのか
$a_{n+2}=pa_{n+1}+qa_n$ に $a_n=r^{n-1}$ を代入すると $r^2-pr-q=0$ が現れます。以下ではまず $q\ne0$ とし、根を $r,s$ とします。$r+s=p,rs=-q$ なので、$$a_{n+2}-sa_{n+1}=r(a_{n+1}-sa_n).$$ つまり、隣り合う2項の組合せを等比数列に変えているのです。$q=0$ なら $a_{n+2}=pa_{n+1}$ と、第2項から先の等比数列に戻せます。
異なる根なら $$a_n=Ar^{n-1}+Bs^{n-1}.$$ $a_1=A+B,\ a_2=Ar+Bs$ から係数を決めます。この式が初期条件と漸化式を満たせば、漸化式が次項を一意に決めることから全項で一致します。
例題1:異なる実根
$a_1=1,a_2=4,\ a_{n+2}=5a_{n+1}-6a_n$。根は2,3。$A+B=1,\ 2A+3B=4$ より $A=-1,B=2$。したがって $a_n=2\cdot3^{n-1}-2^{n-1}$。初期条件が2つあるので、定数も2つ必要です。
2.重解ではnの因子が必要
根が $r$ の重解で $r\ne0$ なら、$$a_n=(A+B(n-1))r^{n-1}.$$ 同じ等比数列を2回並べても独立な2つの初期条件を表現できないため、$n$ の因子を伴う解を加えます。$b_n=a_n/r^{n-1}$ とすれば $b_{n+2}-2b_{n+1}+b_n=0$、つまり $b_n$ は等差数列です。
例題2:重解の具体例
$a_1=1,a_2=4,\ a_{n+2}=4a_{n+1}-4a_n$。根は2の重解。$A=1,\ 2(A+B)=4$ より $B=1$。ゆえに $a_n=n2^{n-1}$。重解を無視して $C2^{n-1}$ とすると2つの初期条件を満たせません。
3.非実根は三角関数の振動に対応する
実係数で根が $\rho e^{\pm i\theta}$ なら、実数解は $$a_n=\rho^{n-1}\{C\cos((n-1)\theta)+D\sin((n-1)\theta)\}$$ と表せます。高校の範囲で複素指数を使わない場合も、三角関数の加法定理で代入確認できます。
例題3:周期的な数列
$a_1=0,a_2=1,\ a_{n+2}=a_{n+1}-a_n$ は $0,1,1,0,-1,-1,\ldots$ と6周期になります。一般項は $a_n=\sin((n-1)\pi/3)/\sin(\pi/3)$。ただし非実根があるだけで周期的とは限らず、$\rho=1$ でも角度が $2\pi$ の有理数倍でなければ通常は周期になりません。
作問者の視点――条件と解法の関係
確認演習と解答
まず方針と必要な条件を言葉にしてから計算してください。解答は開いて確認できます。
演習1 $a_1=2,a_2=5,\ a_{n+2}=3a_{n+1}-2a_n$。
解答・考え方を開く
根1,2。$a_n=A+B2^{n-1}$、$A+B=2,A+2B=5$ より $a_n=3\cdot2^{n-1}-1$。
演習2 $a_1=3,a_2=5,\ a_{n+2}=2a_{n+1}-a_n$。
解答・考え方を開く
根1の重解で二階差が0。$a_n=3+2(n-1)=2n+1$。
演習3 $a_1=1,a_2=2,\ a_{n+2}=5a_{n+1}-6a_n$。
解答・考え方を開く
$a_n=2^{n-1}$。根3に対応する係数が0になります。
関連する解説
参考資料
定理・基本的な方法の確認に使える公開教材です。本ページの例題・演習・作問上のコメントは、解説用に独自に構成しています。
