非同次の1次漸化式――多項式・指数項と共鳴の見分け方

特解を引く方法と等比因子で割る方法を、右辺の形に応じて選びます。

レベル:標準〜発展

前提知識:1次漸化式・等比数列の和

学習の入口:数列・漸化式の型別・レベル別ガイド

1.余計な項を打ち消す数列を引く

$a_{n+1}=pa_n+f(n)$ に対して $u_{n+1}=pu_n+f(n)$ を満たす特定の数列 $u_n$ を1つ見つければ、$a_n-u_n$ は公比 $p$ の等比数列です。特解は唯一でなくて構いません。計算しやすいものを1つ選びます。

例題1:右辺が一次式

$a_1=1,\ a_{n+1}=2a_n+n$。$u_n=An+B$ とおくと $A(n+1)+B=2(An+B)+n$ なので $A=-1,B=-1$。よって $a_n+n+1=3\cdot2^{n-1}$、$$a_n=3\cdot2^{n-1}-n-1.$$ 一次式の非同次項があるだけで、必ず高階の差分を取る必要があるわけではありません。

2.指数項では「同じ底」が分岐点

$f(n)=cr^n,\ r\ne0$ なら $u_n=Ar^n$ を試します。$(r-p)A=c$ なので $r\ne p$ なら解けます。一方、$r=p\ne0$ では同じ型では打ち消せず、$u_n=Anp^n$ と1次高い因子を掛けます。この重なりを共鳴と呼びます。

例題2:共鳴する場合

$a_1=1,\ a_{n+1}=2a_n+2^n$。両辺を $2^{n+1}$ で割り、$b_n=a_n/2^n$ とすると $b_{n+1}=b_n+1/2$、$b_1=1/2$。ゆえに $b_n=n/2$、$a_n=n2^{n-1}$。$A2^n$ という特解では不足する理由も、この余分な $n$ に現れています。

例題3:底が違う場合

$a_1=0,\ a_{n+1}=2a_n+3^n$。特解 $u_n=3^n$ を引けば $a_n-3^n=-3\cdot2^{n-1}$。よって $a_n=3^n-3\cdot2^{n-1}$。例題2と比較すると、数値が2から3に変わるだけで特解の型が変わることが分かります。

3.迷ったときの有限和表示

$p\ne0$ のとき、両辺を $p^n$ で割り、$b_n=a_n/p^{n-1}$ とおけば、$$b_{n+1}-b_n=\frac{f(n)}{p^n},\qquad a_n=p^{n-1}a_1+\sum_{k=1}^{n-1}p^{n-1-k}f(k).$$ この式は $f$ が多項式でなくても成り立ちます。和が簡単に計算できるかは別問題です。$p=0$ なら元の式から $a_{n+1}=f(n)$ と直接読めます。

多項式 $P(n)$ に対して $p\ne1$ なら同次数の多項式特解を試せます。$p=1$ なら階差の問題になり、一般に次数が1つ上がります。「候補を置く→係数比較→代入で検算」の順で、候補が本当に成立することを確認します。

作問者の視点――条件と解法の関係

確認演習と解答

まず方針と必要な条件を言葉にしてから計算してください。解答は開いて確認できます。

演習1 $a_1=0,\ a_{n+1}=3a_n+2n+1$。

解答・考え方を開く

特解 $u_n=-n-1$。$a_n+n+1=2\cdot3^{n-1}$ より $a_n=2\cdot3^{n-1}-n-1$。

演習2 $a_1=2,\ a_{n+1}=3a_n+3^n$。

解答・考え方を開く

$b_n=a_n/3^{n-1}$ とすると $b_{n+1}=b_n+1$。$b_n=n+1$、$a_n=(n+1)3^{n-1}$。

演習3 $a_1=0,\ a_{n+1}=a_n+n^2$。

解答・考え方を開く

$p=1$ なので階差を足し、$a_n=(n-1)n(2n-1)/6$。

参考資料

定理・基本的な方法の確認に使える公開教材です。本ページの例題・演習・作問上のコメントは、解説用に独自に構成しています。