大阪医科大学の前期試験から三角形の辺に関連する整数問題をピックアップします。いわゆる「ナゴヤ三角形」とその仲間に関する問題です。
《問題》
(1)
(2)
(大阪医科大学2019年 前期第1問)
《考え方》
角度が与えられているので、まずは余弦定理を用いて関係式を作りましょう。後は式変形で上手く絞り込みます。
解答例
(1)
以上より、
※参考図:
(2)
※参考図:
本問は整数問題としては基本レベルですが、題材は意外と奥深かったりします。1つの角が
因みに、1つの角が
3数がすべて互いに素な場合の生成式について、1つの角が120度の場合はコメントの通りで大丈夫だと思いますが、60度の場合(m+nが3の倍数のとき)はm^2-mn+n^2、2mn-n^2、m^2-n^2を3で割らないとできない三角形があるようです。
廣津 孝さん
コメント頂き、ありがとうございます。
最も簡単な例を挙げると、 、 のとき各辺の長さが の正三角形を与えますが、各辺の長さが の正三角形はどのような の組に対してもこれらの一般式からは得られません。 が の倍数の場合には既約な「ナゴヤ三角形」を得るために で割る必要がある、ということのようです。
このような場合のために、
また「アイゼンシュタイン三角形」についても(まだよく確認していませんが)互いに素な整数組 に対して周期的に が公約数として出現しているようです。
素因数の分布に関しては既によく調べられていそうな気がします。この辺りの話題は複素数平面とも絡んでくるので面白いですね。