最近は記数法が流行りなのでしょうか?
今年の九州大学文系の整数問題は2進法を題材とした出題でした。
《問題》
以下の問いに答えよ。
(1)$n$ を自然数とするとき、$2^n$ を $7$ で割った余りを求めよ。
(2)自然数 $m$ は、$2$ 進法で $101$ が $6$ 回連続する表示$$101101101101101101_{(2)}$$をもつとする。$m$ を $7$ で割った余りを求めよ。
(九州大学2018年文系 第2問)
《考え方》
本問は記数法を題材とした問題です。
記数法とは、$2$以上の整数$g$を用いてある実数$x$を$$\begin{align} x =a_n g^n &+a_n g^{n-1}+\cdots \\ &+a_1 g+a_0+\dfrac{a_{-1}}{g}+\cdots \end{align}$$と表すことを指し、これを$g$進記数法と言います。$a_n$は$1$以上 $g-1$ 以下の整数、$a_{n-1}$、$\cdots$はいずれも$0$以上 $g-1$ 以下の整数です。今回、(2)の$m$は$2$進法表示が与えられているので、上の式では $g=2$ として計算することになります。
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(1)は特に問題ないかと思います。$2^n$を$7$で割った余りは周期$3$で
「$2$、$4$、$1$、$2$、$4$、$1$、$\cdots$」
と繰り返しますから、正の整数$k$を用いて$$\begin{cases} 2 \ \ \ (n=3k-2) \\ 4 \ \ \ (n=3k-1) \\ 1 \ \ \ (n=3k) \end{cases}$$と求められます。
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(2)は合同式を用いれば簡単に解決することができますが、(1)に素直に従えば単純な式変形によって、$m$を$7$で割った余りが求められます。$$\begin{align} m &=101101101101101101_{(2)} \\ &=(1+2^3+\cdots+2^{15}) \\ &\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ +2^2 \cdot (1+2^3+\cdots+2^{15}) \\ &=5 \cdot (1+2^3+\cdots+2^{15}) \ \ \ \ \ \cdots (★) \end{align}$$となるので、$m$を$7$で割った余りは、$(★)$を$7$で割った余りに等しくなります。
ここで(1)より、$2^n$を$7$で割った余りは、$n$が$3$の倍数のとき$1$となることが分かっていますので、$(★)$を$7$で割った余りは$$5 \cdot (1+1+\cdots+1)=30$$を$7$で割った余り、即ち$2$となることが分かります。
以上より、$m$を$7$で割った余りは$$\color{red}{2}$$と求められます。
(コメント)
非常に易しい問題ですので、これを落とすとかなり苦戦を強いられることが予想されます。九州大学の入試数学では整数分野からの出題が多いので、しっかりと対策しておく必要があります。
今回は$101$が$6$個連なった2進法表示でしたが、これが$n$個連なった場合だと、$7$で割った余りは
「$5$、$3$、$1$、$6$、$4$、$2$、$0$、$\cdots$」
となり周期$7$で繰り返します。