The整数問題という感じです。単位分数の問題は「整数第3章第1節C-1」の問題#C009~#C013にまとめてあります。そちらも是非参照してみてください。
《問題》
$\dfrac{1}{a}+\dfrac{1}{b}+\dfrac{1}{c}=\dfrac{3}{4}$ を満たす3つの自然数$a$、$b$、$c$について、次の設問に答えよ。ただし、$a \leqq b \leqq c$ とする。
(1)$a=2$ のとき、$b$、$c$の値をすべて求めよ。
(2)$a \geqq 3$ の範囲で、$a$、$b$、$c$の値をすべて求めよ。
(倉敷芸術科学大学2017 前期B第6問)
《考え方》
$a=2$ のとき与式は$$\dfrac{1}{b}+\dfrac{1}{c}=\dfrac{1}{4} \tag{1.1}$$となり、$b \leqq c$ より、$\dfrac{1}{b} \geqq \dfrac{1}{c}$ですから$$\dfrac{1}{4}=\dfrac{1}{b}+\dfrac{1}{c} \leqq \dfrac{2}{b}$$ $$\therefore b \leqq 8$$を得ます。式$(1.1)$より $b > 4$ が必要ですから、$5 \leqq b \leqq 8$ の下で組$(b,c)$を探すと
$(b,c)=(5,20)$、$(6,12)$、$(8,8)$
が見つかります。
次に(2)ですが、与式より$$\dfrac{3}{4}=\dfrac{1}{a}+\dfrac{1}{b}+\dfrac{1}{c} \leqq \dfrac{3}{a}$$ $$\therefore a \leqq 4$$を得ます。$a=2$ のときは(1)で調べたので、$a=3、4$ のときを調べます。
$a=3$ のとき与式は$$\dfrac{1}{b}+\dfrac{1}{c}=\dfrac{5}{12} \tag{2.1}$$となり、$b \leqq c$ より、$\dfrac{1}{b} \geqq \dfrac{1}{c}$ですから$$\dfrac{5}{12}=\dfrac{1}{b}+\dfrac{1}{c} \leqq \dfrac{2}{b}$$ $$\therefore b \leqq \dfrac{24}{5}$$を得ます。式$(2.1)$より $b > 2$ が必要ですから、$3 \leqq b \leqq 4$ の下で組$(b,c)$を探すと
$(b,c)=(3,12)$、$(4,6)$
が見つかります。
$a=4$ のとき与式は$$\dfrac{1}{b}+\dfrac{1}{c}=\dfrac{1}{2} \tag{2.2}$$となり、$b \leqq c$ より、$\dfrac{1}{b} \geqq \dfrac{1}{c}$ですから$$\dfrac{1}{2}=\dfrac{1}{b}+\dfrac{1}{c} \leqq \dfrac{2}{b}$$ $$\therefore b \leqq 4$$を得ます。式$(2.2)$より $b > 2$ が必要であり、$a \leqq b$ も必要ですから $b=4$ に限られ、
$(b,c)=(4,4)$
を得ます。以上より、
$(a,b,c)=(3,3,12)$、$(3,4,6)$、$(4,4,4)$
の3つが求める組となります。
(コメント)
よくあるタイプの単位分数和の問題です。誘導が無くてもできるようにしておきたいですね。