久し振りの更新となりました。今回は今年の大学入試数学から分数式が登場する整数問題を2問取り上げます。1つ目は小樽商科大学、もう一つは千葉大後期の問題です。
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小樽商科大学2018年 第2問
《問題》
(1)
(2)
(小樽商科大学2018年 第2問)
誘導設問のありがたい問題です。素直に場合分けします。
《解答例》
(1)
ⅰ)
ⅱ)
以上より、求める実数
(2)
与式
● ● ●
絶対値の付いた不等式の処理で躓かなければ特に問題はなさそうです。解の候補が多いときは分子と分母の偶奇性や素因数に着目して条件を絞り込むことができます。
今回は誘導設問がありましたが、特に誘導が無い場合、(2)は次のように解くこともできます。
《(2)別解 》
以上より、
● ● ●
不等式だけを追っていると与式が
続いて千葉大後期の問題を見ていきましょう。
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千葉大学2018年後期 第2問
《問題》
(千葉大学2018年後期 第2問)
整数分野の一行問題ですが、2次の分数式なので後期試験としては易しめです。
《解答例》
与式
ⅰ)
ⅱ)
ここで
よって求める整数
● ● ●
不等式で処理しましたが、こちらも先程の小樽商科大の問題と同様、2次の分数式なので判別式の実数解条件などから絞り込むことができます。場合分けがない分、判別式による解法の方がスッキリ解けるかもしれません。ただし、この方法は2次の分数式にしか適用できないのが難点です。例えば、以下のような問題だと不等式によるアプローチが適切でしょう。
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改題してみると・・・
《問題》
(千葉大学2018年後期 第2問 改題)
よく見ると分母が3次式になっています。こんな問題で3次方程式の解の公式を持ち出すと訳が分かりませんので、やはり不等式を用いた解法を選択することになります。
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(コメント)
分数式を題材とした整数問題は頻出です。恐らく来年度の入試でも出題される可能性が高いでしょう。解き方は単純なのでしっかり対策しておきたいですね!
千葉大学2018年後期 第2問)を 拝見致しました。
((1 + t + t^2)/(1 – 4 t + 2 t^2), (-1 + t + t^2)/(1 – 4 t + 2 t^2))
∈Z^2 となる t∈Z を 求めて下さい;
((1 + t + t^2)/(1 – 4 t + 2 t^2), (-1 + t + t^2)/(1 – 4 t + 2 t^2))
∈Z^2 となる t∈Q を 求めて下さい;
(ⅱ)の2x-2≦0ときの以下の不等式に誤植がありますね。てか(ⅰ)と全く同じ不等式になってるww
管理人の pencil と申します。
act さん、誤植のご指摘ありがとうございます。
このページに限らず、他にも誤植等が残っているかもしれません。
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