突然ですが、今年の十五夜は10月4日です。十五夜というのは旧暦8月15日のことを指し、9月下旬から10月上旬にかけて空気がよく澄んで月が綺麗に見えることから、この時期の満月は「中秋の名月」と呼ばれます。十五夜=満月というイメージがありますが、新月と満月の周期は15日程度であり、実は毎年の十五夜に必ず満月が見られるとは限りません(因みに次の満月は10月6日です)。
たまにはのんびりと月見を楽しみたいものです。
《問題#25》
有理数 $p$ を用いて $\dfrac{p^2+1}{p(p-1)}$ と表せる整数をすべて求めよ。
(創作問題)
整数問題の演習に手頃な問題だと思います。
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答えは $\color{red}{1,-5}$ です。
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創作整数問題#24(解き方)
$2^6+2^9+2^n$ が平方数となるような自然数$n$をすべて求めよ。 |
自然数 $m$ を用いて$$2^6+2^9+2^n=m^2$$と置くと、$$\therefore 2^6 (1+2^3)+2^n=m^2$$ $$\therefore 8^2 \cdot 3^2+2^n=m^2$$ $$\therefore 2^n=(m-24)(m+24)$$と変形できます。左辺は$2$の冪なので、$$\begin{cases} m-24=2^s \\ m+24=2^t \end{cases} \ (s+t=n)$$を満たす非負整数 $s、t$ が存在します(ただし $m-24<m+24$ より、$s<t$ です)。これらより $m$ を消去して、$$48=2^t-2^s$$ $$\therefore 2^4 \cdot 3 =2^s(2^{t-s}-1)$$を得ます。$t-s>0$ より、$2^{t-s}-1$ は奇数ですから、これが$3$に一致するので、$2^{t-s}-1=3$ かつ $2^s=2^4$ となり、$$s=4、t=6$$を得るので、$$n=10$$と求められます。また、このとき$$2^6+2^9+2^{10}=1600=40^2$$となり、確かに平方数となっているため、求める自然数$n$は$$\color{red}{n=10}$$となります。
(コメント)
本問は $2^k+1=l^2$ というディオファントス方程式が $k=l=3$ のみを自然数解に持つことが背景になっています。このことを利用すれば、例えば次のような問題を無数に作ることができるという訳です。
【例題】$2^{2014}+2^{2017}+2^n=m^2$ を解け。
(答えは $n=2018$ です)
ただ、$2^{2N-1}+2^{2N+2}+2^n=m^2$ の場合は解を持たないようですが、証明するのは面倒くさそうです(私が解を持つような組を発見できていないだけかもしれませんが・・・)。
(2017/09/28追記:コメント欄にて、たけちゃん 様より $2^{2N-1}+2^{2N+2}+2^n=m^2$ の場合に関する考察を頂きました)
「$2^{2N-1}+2^{2N+2}+2^n=m^2$」…(*)について考えてみました.
左辺の素因数 $2$ の個数の考察から $n\leqq 2N-1.$
$n=2N-1$ のときは左辺は $5\cdot2^{2N}$ となって不適であり,
$n<2N-1$ であって,$n$ は偶数に限る.$n=2k$ とおく.
このとき,方程式は,次のように変形される.
\[9\cdot2^{2N-1}=m^2-2^{2k}=(m+2^k)(m-2^k).\]
$m$ は素因数 $2$ をちょうど $k$ 個もつから,
2数 $m+2^k,\ m-2^k$ はともに $2^{k+1}$ で割り切れ,
割った商は連続2整数である.
その積は自然数で,$9=3^2$ の倍数であり,
$3^2$ のほかには $2$ 以外の素因数をもたない.
連続2整数は互いに素であることから,この連続2数は $8,\ 9$ に限られる.
\[m+2^k=9\cdot2^{k+1},\ m-2^k=8\cdot2^{k+1},2^{2N-1}=2^{2k+5}.\]
結局,(*)が成り立つのは,
\[N=k+3,\quad n=2k,\quad m=17\cdot2^k\]
と表されるときに限るようです.
例えば,
\[2^7+2^{10}+2^n=m^2\]
であれば,自然数解 $(m,\,n)=(34,\,2)$ をもちます.
すみません,\TEX の基本的なミスをしました.
$2^10$ とあるのは,$2^{10]$ が正しいです.
あれ,重ね重ねすみません...
「$2^{10}$」 です.
たけちゃん 様、コメントありがとうございます。
(僭越ながら上記のコメントを修正させて頂きました。初めて知りましたが、管理者でないと再編集できない仕様になっているようです。)
考察して頂きありがとうございます。
$k$という変数だけで解が無数に生み出せるのですね。とても興味深い結果だと思います。
余計なことかもしれませんが、左辺が平方数であることから、$\bmod{3}$に着目すれば$n$が偶数に限ることは直ちに了解できます。ただ、この場合は素因数$2$の個数に着目するのが普通だと思います。
結局のところ、$$2^{2k}+2^{2k+3}+2^{2k+4}$$或いは$$2^{2l}+2^{2l+5}+2^{2l+8}$$と構成すればこれらの値は平方数になるようですね。