平成最後の「創作整数問題」です!
創作整数問題#54
《問題#54》
方程式$$5408 = a^2 + b^2 +c^2$$を満たす正の整数 $a,\,b,\,c$($a>b>c>0$)の組をすべて求めよ。
(創作問題)
令和までもうすぐですね!ということで、新元号に因んだスペシャル問題です(笑)。非常に単純な問題ですが、うまく見つけてみて下さい!
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答えは $(a,\,b,\,c)=\color{red}{(52,\,48,\,20),(60,\,32,\,28),(64,\,36,\,4)}$ です。
因みに、$5408$は$3$つの平方数の和でちょうど$3$通りに表される$348$番目の自然数です。
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創作整数問題#53(解き方)
$s_n=5^n+3^n$ を$1001$で割った余りが$1$となるような正の整数$n$をすべて求めよ。 |
創作整数問題#1に類題を出題しています。$1001=7 \times 11 \times 13$ なので、それぞれの数を法とした剰余を調べます。
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解答例
$s_n$を$7$で割った余りを考える。$\bmod 7$ で剰余を分類すると以下の表のようになる。
$n$ | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
$3^n$ | 1 | 3 | 2 | 6 | 4 | 5 | 1 |
$5^n$ | 1 | 5 | 4 | 6 | 2 | 3 | 1 |
$s_n$ | 2 | 1 | 6 | 5 | 6 | 1 | 2 |
これより、$n=6i+1$ または $6i+5$ のとき$s_n$を$7$で割った余りが$1$となることが分かる。ただし$i$は非負整数である。
次に$s_n$を$11$で割った余りを考える。$\bmod 11$ で剰余を分類すると以下の表のようになる。
$n$ | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
$3^n$ | 1 | 3 | 9 | 5 | 4 | 1 | 3 | 9 | 5 | 4 | 1 |
$5^n$ | 1 | 5 | 3 | 4 | 9 | 1 | 5 | 3 | 4 | 9 | 1 |
$s_n$ | 2 | 8 | 1 | 9 | 2 | 2 | 8 | 1 | 9 | 2 | 2 |
これより、$n=5j+2$ のとき$s_n$を$11$で割った余りが$1$となることが分かる。ただし$j$は非負整数である。
最後に$s_n$を$13$で割った余りを考える。$\bmod 13$ で剰余を分類すると以下の表のようになる。
$n$ | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
$3^n$ | 1 | 3 | 9 | 1 | 3 | 9 | 1 | 3 | 9 | 1 | 3 | 9 | 1 |
$5^n$ | 1 | 5 | 12 | 8 | 1 | 5 | 12 | 8 | 1 | 5 | 12 | 8 | 1 |
$s_n$ | 2 | 8 | 8 | 9 | 4 | 1 | 0 | 11 | 10 | 6 | 2 | 4 | 2 |
これより、$n=12k+5$ のとき$s_n$を$13$で割った余りが$1$となることが分かる。ただし$k$は非負整数である。よって$\bmod 7$ を調べて得られた $n=6i+1$ の場合は不適である。
以上より、非負整数$j,k$を用いて $n=5j+2$ かつ $n=12k+5$ と表せるような正の整数$n$が求める値である。$5$と$12$は互いに素であるから中国剰余定理より、非負整数$N$を用いて $n=60N+r$ と表せる正の整数$r$がただ一つ存在し、$r=17$ を得る。
したがって求める正の整数$n$は非負整数$l$を用いて$$n=\color{red}{60 l+17}$$と表せる数である。
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(コメント)
最後の $n=60 l+17$ を求める方法は$$5j+2=12k+5$$という連立不定方程式を解くことによっても可能です。
中国剰余定理とは、このような連立不定方程式において、互いに素であるような法の積を新たな法として一意に解が定まることを主張しています。この名称は中国の算術書『孫子算経』に由来しており、非常に古くから知られている定理ですが、現代でも学術的に有用な定理として様々な問題に利用されています。例えば「フカシギの数え方」で知られる「数え上げお姉さん問題」などの巨大数の数え上げに利用されていたりします。
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