創作整数問題#58解法&創作整数問題#59

今年も残すところあと2週間ほどになりましたね。ここで忘年会シーズンに向けて、コソコソ噂話。

飲み会の後に何となく小腹が空いて〆のラーメンなどに行ってしまう、という方は多いのではないでしょうか。飲酒後の体内には食べ物由来の糖質と、お酒由来のアルコールが混在しています。肝臓はアルコールの分解を優先し、糖類の分解は後回しにするため、飲酒後は血中ブドウ糖が少なくなり一時的に軽い低血糖の状態になります(※体質にもよります)。これを脳が感知して空腹の信号を出すために小腹が空く、というのが〆のラーメンに行きたくなるメカニズムのようです。

飲み会後の食べ過ぎを防止するにはブドウ糖を摂って糖分補給すればよく、その辺の勝手を知っている吞兵衛であればラムネを携帯していることも珍しくないとか。実際、年末年始はラムネの売り上げが伸びるそうですよ。


創作整数問題#59


《問題#59》

$p^2+59$ の正の約数が$10$個より少ないような素数$p$をすべて求めよ。

(創作問題)


素数、約数、平方数と整数問題に頻出の要素詰め合わせの問題です。整数の得意な人にとっては、このくらいは朝飯前でしょうか。なお「正の約数」には$1$とその数自身を含めるのが普通です。

 

 

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答えは $p=\color{red}{2,\ 3}$ です。

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創作整数問題#58(解き方)


$a$、$b$ を整数とし、実数$x$の2次方程式$$x^2+ax+b=0 \ \ \ \cdots (*)$$に対して $D=a^2-4b$ と置く。このとき、方程式$(*)$の2解が整数となることと、$D$ が平方数となることは同値であることを示せ。


解と係数の関係を用いて議論するのが良さそうです。

●   ●   ●

解答例

 

方程式$(*)$の2解を $\alpha$、$\beta$ とすると、解と係数の関係より、$$\begin{cases}\alpha+\beta=-a \\ \alpha\beta=\,b \end{cases}$$が成り立つので、$$\begin{align} D &= a^2-4b \\ &=(\alpha+\beta)^2-4\alpha\beta \\ &=(\alpha-\beta)^2 \end{align}$$と書ける。よって、$\alpha$、$\beta$ が整数のとき $\alpha-\beta$ も整数であるから、$D$ は平方数となる。

 

逆に、$D$ が平方数だとすると、ある正の整数 $n$ を用いて、$$D=n^2$$と書ける。このとき方程式$(*)$の解は、$x=\dfrac{-a+n}{2},\dfrac{-a-n}{2}$ となる。ここで、$(-a+n)+(-a-n)=-2a$ は偶数なので、$-a+n$ と $-a-n$ の偶奇は等しく、$(-a+n)(-a-n)=a^2-n^2=4b$ が偶数なので $-a+n$ と $-a-n$ はいずれも偶数である。したがって、方程式$(*)$の2解は整数となる。

 

以上より、示された。


(コメント)

解と係数の関係を使うとシンプルに議論できます。よく高校一年生が疑問に感じる「2次方程式の2解が整数となるためには判別式が完全平方数でなくてはならない」というのは、こういう理由だったのです。

 

今回、係数の$a$と$b$は整数に限定していましたが、有理数に拡げた場合について色々考えてみるのも面白そうですね!


 

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