創作整数問題#60解法&創作整数問題#61

3ヶ月振りの更新です(^_^;)。


創作整数問題#61


《問題#61》

 $N=2020^{2020}$ を十進法表示したときの各桁の数をすべて足した数を$A$とし、同様に$A$の各桁の数をすべて足した数を$B$、$B$の各桁の数をすべて足した数を$C$とするとき、$C$を求めよ。

(創作問題)


この手の問題は初見だと掴み所の無い問題に見えるかもしれません。まずは$A$の大きさを大まかに見積もってみましょう。比較的小さめの$N$で実験してみても良いですね。

 

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答えは $C=\color{red}4$ です。

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創作整数問題#60(解き方)


平方数とは、ある整数の二乗として表される数である。

(1)正の整数 $n$、$m$ の組に対して $n^{m+1}+m^{n+1}$ が平方数となるとき、$n$、$m$ の少なくとも1つは偶数であることを示せ。

(2)$p^{q+1}+q^{p+1}$ が平方数となるような素数$p$、$q$の組をすべて求めよ。


誘導にしたがって $p$、$q$ の組を絞り込みます。

解答例

 

(1)

まず次の補題を示す。

補題:すべての整数$a$に対して$$a^2\equiv 0,\ 1 \pmod 4$$が成り立つ。

 

以下、$k$を適当な整数とする。$a$が偶数のとき、$$\begin{align} a^2 &=(2k)^2 \\ &=4k^2 \\ &\equiv 0 \pmod 4 \end{align}$$となり、$a$が奇数のとき、$$\begin{align} a^2 &=(2k+1)^2 \\ &=4k^2+4k+1 \\ &\equiv 1 \pmod 4 \end{align}$$となるから補題が成り立つ。

(了)

$n$、$m$ のいずれも奇数とすると、$n^{m+1}+m^{n+1} \equiv 2 \pmod 4$ となるから補題よりこれは平方数でない。よって、$n^{m+1}+m^{n+1}$ が平方数となるとき、$n$、$m$ の少なくともどちらか一つは偶数である。

 

 

(2)

(1)の結果より、素数 $p$、$q$ の少なくともどちらか一つは偶数、すなわち$2$である。与式は $p$、$q$ に関して対称なので一般性を失うことなく $p \leqq q$ と置ける。以下、$p=2$ として場合分けする。

 

(ⅰ)$p=q=2$ のとき、$$2^3+2^3=16=4^2$$となるので、このとき $p^{q+1}+ q^{p+1}$ は平方数となる。

 

(ⅱ)$p=2$、$q \geqq 3$ のとき、整数$k$を用いて$$2^{q+1}+q^3=k^2$$と置くと、$q+1$ は偶数なので、$$\begin{align} q^3 &=k^2-2^{q+1} \\ &=(k-2^{\frac{q+1}{2}})(k+2^{\frac{q+1}{2}}) \end{align}$$と変形できる。このとき$$\begin{cases} k-2^{\frac{q+1}{2}} =1 \\ k+2^{\frac{q+1}{2}}=q^3 \end{cases} \quad \text{or} \quad \begin{cases} k-2^{\frac{q+1}{2}} =q \\ k+2^{\frac{q+1}{2}}=q^2 \end{cases}$$のいずれかに限られる。

 

前者の場合、辺々の差により$$2 \cdot 2^{\frac{q+1}{2}} = q^3-1$$ $$\therefore 2^{\frac{q+1}{2}+1} = (q-1)(q^2+q+1)$$を得るが、$q$は奇素数であるため $q^2+q+1$ は奇数となり、右辺が奇数の素因数をもつことになるから不合理。

 

後者の場合、辺々の差により$$2 \cdot 2^{\frac{q+1}{2}} = q^2-q$$ $$\therefore 2^{\frac{q+1}{2}+1} = q(q-1)$$を得るが、$q$は奇素数であるため右辺が奇数の素因数をもつことになるから不合理。

 

以上(ⅰ)および(ⅱ)より、求める素数の組$(p,\,q)$は$$(p,\,q)=\color{red}{(2,\,2)}$$となる。


(コメント)

平方数と$4$の剰余の関係はよく出題されます。平方剰余については問題#B005」でも問題演習として扱っています。


 

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